「シビックプライド」のワークショップを開催しました
「シビックプライド」とは、町に対する誇りや愛着を持ち、町をよくするために自らが積極的に関わろうとする気持ちをあらわす言葉で、「郷土愛」とは一線を画すものです。
このシビックプライドを、地域の子どもたちに育てるにはどうすればよいかを問題意識としている子ども教育学科の学生が、卒業研究の一環として、米沢市の小学生と保護者の協力を得てワークショップを試作し、開催しました。来年度から先生となるゼミ生たちにも手伝ってもらいながら、校内や催事できる教材の完成をめざしています。
当日はクマ対策で室内実施に変更し、かつ4時間という長い時間でしたが、地域の「宝」探しの時間は大いに盛り上がりました。また「10年後の米沢」を考える時間では、小学生から斬新で実行できそうなアイデアがたくさん飛び出していました。今後は今回のデータを科学的に分析し、地域を選ばず誰でも実施できる内容にしていく予定です。


子ども教育学科4年 奥山さくら
ワークショップを通して、子どもたちが自分の住んでいる地域について話し合う様子やこれまで何気なく見ていた場所や人との繋がりに新たな価値を見いだしていく姿が強く印象に残りました。活動を進める中で、互いの意見を聞き合いながら、自分の考えを言葉で表現し、友達の視点を取り入れることで、地域に対する認識を多角的に広げていく様子が見られました。実践者の立場として、事前の想定を超える多様な気づきや発想が子どもたちから生まれ、一人ひとりの感じ方や捉え方の違いが、学びの深まりや広がりを生み出す重要な要素であることを実感しました。また、地域を題材とした学習は、子どもたちにとって身近で具体的であるからこそ、学習内容を自分事として捉え、主体的に関わろうとする姿勢を引き出す有効な手立てであると感じました。実践を通して、学校教育において地域との繋がりを位置づけることの意義や対話を基盤とした学びが子どもたちの思考を深める役割について、改めて考える機会となりました。今後は、ワークショップで得た知見を活かし、子どもたちが地域との関わりを前向きに捉えられるような教育実践を積み重ねていきたいです。
(写真掲載許諾済)
文責:子ども教育学科 奥山さくら、杉中拓央



