東北文教大学 附属図書館

『木小屋の生活・民話序説』 解題

『木小屋の生活・民話序説』 47・4・10 B6版 60頁

 木小屋話を集めると共に、実際の木小屋の生活はどういったものであったかを、木小屋生活の経験者から聞こうと思い立ち、飯豊町椿に出かけた。渡部史夫氏、井上俊夫氏のお世話で経験者をさがしてもらった。佐藤、山田のお二人から、逐一聞くことが出来たのは、さいわいであったが、一つ、この地区では貧乏なので他家へ雇われるということでなしに、将来一家の主人として家を背負うためにも他家へ奉公するということがあったことを知った。

 また東根市の滝口国也氏におねがいして、東根市の昔話を聞く機会があり、滝口氏宅で山形の飯野先生、東根の山田先生と共に、昔話を楽しんだ。どちらかと言えば木小屋話的なものが多かったのも思い出である。横尾高治、八島与三郎の両氏の語りである。その頃のもう一つの関心ごとは昔話を聞く年令のことであった。今になってみると全く常識といってよいことだが、伝承の条件とは昔話についてどういうものだろうということを考えていたから、「語り」が仕事の一つだと意識されていた飯豊町大平の例、東根市のタバコのし小屋の語りを重要な一つだと思ったものである。