『つゆふじの伝説』 44・11・1 A5版 88頁
「上郷の民俗」に次いで、安部忠内さんのノートをまとめたもので、隣地の高畠町露藤の伝説を一冊にまとめた。露藤には安部名平次翁がおり、早くから古文書や伝説などをまとめておられたが、体が不自由になった忠内さんが、体の回復を待って、しばしば名平次翁のところに出向き、写本を作られた。そのノートだけが残されていたのだった。すでに高畠高校編『高畠町伝説集』があり、一部重複するところもあるが、新しいものもあるので、私が編集させてもらいまとめたものである。中でも民間信仰が書き込んであること、妖怪譚が珍らしいこと、佐兵にまつわる世間話風のものもあることで注目されていいと思った。佐兵と肩を並べる菊叔父なども登場してたのしいものであった。
このノートにうながされて、置賜駅から、天王川の橋を渡り、春先に歩いてみたことも思い出す。よく狐狸の出たという草やぶ、亀岡文殊に博奕に行く連中の間道なども、あの頃はいくらか残っていたように思う。