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『鬼と豆のくいくら』 小国町昔話集(三) 解題

『鬼と豆のくいくら』 小国町昔話集(三) 45・10・25 B6版 76頁

 小国町舟渡の塚原名右ヱ門さんは、全国でも数少ない形式譚「三つの話」を知っている方であることは、国学院大民俗文学研究会の報告書で知っていたから、是非一度私の耳で聞きたいと願い、手紙で差上げたところ、快諾されたので、喜んで出かけた。山をつらぬくトンネル、深い谷間、朝霧の中を汽車は走って行く。小国駅からバスで塚原さんの家の前に降りると、真白な飯豊本山が陽に輝いているのを見ることができた。塚原さん夫妻に迎えられて立派な座敷で昔話を聞いた。所望すると次々に昔話が出、さらにはわらべ唄がまたいくつも出てくるのだった。前述の「三つの話」の他に、歌物語の「牛方と山姥」を思い出しても下さった。帰りには大粒の栗を大きい袋に入れていただいた。大きい収穫をテープに収め、わくわくして秋の一日を送り、その晩からテープを起こしはじめ、月末に出来上ったときには、さすがにうれしかった。この集には大川悦生さんと、叶水の公民館をお借りして収録した高橋、川崎のおばあさんからきいたものも含め、小国町の大方の昔話がこれでまとまり、何と合計で一五五話になったこともうれしかったことであった。この年文部省の科学研究費補助をうけたので、「木小屋話」をまとめつつあった。