『佐兵ばなし』 46・1・10 B6版 一二八項
昭和四十五年度に文部省の科学研究 補助金を交付された。「佐兵ばなし」と呼ばれる一種の狡猾者譚が高畠町に伝承されていることは、すでに知られていたが、その後「木小屋話」を体系的に知って行く上で、もっと細かく調査しておく必要があると考え、「佐兵ばなし」を集めることにした。「名物男佐兵次の逸話」が見つかり、実際の語られ方を知っておこうと思った。さいわいにも近きよさんがすでに語って下さったのを持って、露藤を歩いた。今井勇雄、渡辺金五郎、安部茂次氏にお会いできた。渡辺氏の配慮によったものであった。ともかく聞いたものを整理し、学会への報告資料の一つとしてガリ版にしたもので、これが機縁となって、『木小屋話』(桜楓社刊)が生れた。全国各地にある狡猾者譚の中で有名な吉四六、吉五、彦市、彦八話の仲間入りができたのはうれしいことであった。なお昭和五五年の墓に佐兵の供養碑が建ったこともうれしい。