『お婆の手ン箱』 52・4・20 B6版 56頁
県芸術祭の昭和五一年度のテーマは「ふるさとの民話は生きている」であった。「語り」とシンポジウムということで、この会が終わった時、私のところにあるお婆さんが来て、「私も少し知っているが、今日聞いたのとちがうものもあった」といい、よかったら来てくれと、電話番号を教えて立ち去った。春になって、川部敏男氏を誘って出かけた。昔話を聞くつもりで出かけたが、語りの合間の話もまた見事な語りだったから、思い切って、すべてをガリ版にまとめてみたのがこの本になった。生れが西川町大井沢であるということで、佐藤義則氏の「大井沢中村の民俗」を読んで「序文」とし、阿部キヌさんのすべてをまとめた。再開を約したのに、約束を果たしていないのが心残りである。