東北文教大学 附属図書館

『むかしあったけど』 解題

『むかしあったけど』 50・2・20 B6版 80頁

 南陽市漆山地区の民俗調査を置賜民俗学会で実施したのは昭和四九年の夏であった。公民館長で珍蔵市住職の武田氏の大変なお世話と公民館職員の協力で成果は大きかった。昔話では佐藤七右ヱ門氏、平井とよさんというすばらしい語り手にお会いした。佐藤さん自信深い郷土史の研究を重ねられていることもあり、また珍蔵寺には寺の縁起としての「鶴女房」話もあり、庭園の眺めは、鶴の園というにふさわしいすばらしい庭であった。数々の馬鹿野ばなしも楽しかった。その後も佐藤さんにはテレビ出演ねがったりもし、自著「池黒付近の伝説私考」をそのままお借りしたりして収録させてもらったりした。

 丁度この頃、大道寺重栄氏を再度訪れて二回目の話を聞く機会を得た。同地区の藤原民夫氏、長井市の版画家菊地隆知氏もかけつけて下さり、たのしくお聞きした。若き頃に久留島武彦先生の口演童話を聞いたことがあるという大道寺氏であり、よい語り手にめぐり合ったと思っている。