乳幼児心理学
4年次 保育士選択科目 認定心理士必修科目 前期(シラバス)
――この科目では、どのようなことをやるのですか?
授業名からもわかるように、乳幼児の心理的特徴を学びます。なお、乳幼児の心理について学ぶ授業は発達心理学など他にも複数あります。そこで、この授業では、4年生を対象としているということも踏まえて、復習を通して基礎的な知識を確認しつつ、そこに新しい情報を追加していきます。4年間学んできた乳幼児期について、あらためて考える機会を提供できればと考えています。
――取材のときには、「注意欠陥/多動性障害(ADHD)」や「学習障害(LD)」について学生達に定義を考えさせながら、丁寧に解説を加えていましたね。
教育・保育に関わる上で、障碍の理解は欠かせません。2013年にアメリカ精神医学会作成の「精神疾患の診断と統計のためのマニュアル第5版(DSM-5)」が出版され、その中で分類や名称に変更がみられました。日本でも新聞に取り上げられましたので、記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この変更の背景について考え、障碍の特徴などをあらためて確認することで、理解を深めてもらいたいと考えました。
――受講生たちの様子をみていかがですか?
3年生までに複数の実習を経験している学生ばかりなので、乳幼児の姿についてイメージを共有しやすい印象があります。また、自分がこれから何をするのか、イメージをはっきり持っているので、この授業で取り上げた事柄から自分に必要なものを選んで、自分なりにまとめてくれているのではないでしょうか。
――高校生の皆さんへ、伝えたいことがあればどうぞ。
ヒトは乳幼児期を経て大人になります。乳幼児を知ることは、大人を知ることでもあるのです。それは、他者だけでなく自己を知ることにもつながっていきます。教育・保育を目指す方には、是非、乳幼児期について理解を深め、他者や自己について考える機会としていただければと思います。
――ありがとうございました。
受講生たちの感想より
言葉もまだ上手に話すことのできない乳幼児がこんなことを思って、こんなことを感じとるんだ、というような心のはたらきを、丁寧な解説やわかりやすい例を出しながら聴くことができる、とても有意義な講義だと思います。
乳幼児期からの発達や、LDやADHDなどをわかりやすい説明を聞くことができる。また現場で役立つ知識を聞くことができる。先生が面白い。
乳幼児心理学は、保育士や幼稚園教諭の資格を取得しない人にとっても、自分が親になった時に役立てることができる内容を多く学べるので、ぜひ受講すべき科目だと思います。また担当の福田先生は、学生を授業に引き込ませるのがとても上手で、授業構成という視点でも多くのことを学ばせていただいています。
1年の頃から他の授業で学んだ単語・用語を思い出すという時間があるので、今まで大学で学んだこと(保育)の復習ができていると思う。
乳幼児を発達の視点から学ぶことで、子どもをより深く理解することができる。障がいについても、特性だけでなく周囲の保育者や大人がどう援助すればその子どもが楽しく園生活や学校生活を送れるのかどうか、具体的に学ぶことができる講義です。
心理的に保育を見つめられる授業です。心理的と言っても、「こういう場合はどうだろう?」と実際に考えていくので、体験型です。自然に行っている行動や状態に、こんな裏があるのか! と分かると嬉しい授業です。
(取材:2014年7月)