令和7年度学位記修了証書授与式 学長式辞
式辞
すべての命が再び輝きを取り戻す春となりました。春のこの佳き日に、東北文教大学人間科学部からは子ども教育学科六五名、人間関係学科三七名、東北文教大学短期大学部からは子ども学科四五名、現代福祉学科一二名、そして、東北文教大学人間科学部留学生別科からは四名の皆さんが、本学を卒業・修了し、新たな道へと、その第一歩を踏み出そうとしています。
卒業生・修了生となられた皆さん。卒業・修了、おめでとうございます。皆さんの卒業・修了を心から祝福します。そして、卒業生、修了生の御家族の皆様。今日の日を迎えられた喜びと達成感とに満たされていることと拝察いたします。心からお祝い申し上げます。
また、ご列席いただきましたご来賓の方々には、本学の教育活動へのご支援に対して感謝申し上げるとともに、本日、ご臨席を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。そして、本学の教職員の皆様にもお礼を申し上げます。本日、合わせて一六三名の学生が、こうして卒業・修了の日を迎えられたのも、一人ひとりの学生に対する教職員の皆さんの惜しむことなき支援と指導のおかげです。
さて、本学の新たな卒業生、修了生となられた皆さん。皆さんは、所定の本学の教育課程をすべてなし終え、その証となる学位記・修了証書が授与されました。皆さんを前にしてお話しするのも、今日が最後の日ですので、皆さんが、本学でのこれまでの学びを経て、どのような力を持つ人間として、いま、ここにいるのかということを、そして、本学を巣立っていく皆さんに期待することをお話しして、学び舎を後にする皆さんへの餞の言葉にしたいと思います。
皆さんは、本学の学生として、毎日の授業や実習などに頑張って取り組んできたことと思います。一つひとつの学修を積み重ねることによって、知識や技能の範囲を広げ、理解を深め、その最終段階として、人間科学部では卒業研究発表会、短期大学部では子どもフォーラムや現代福祉フォーラム、そして留学生別科では日本語発表会において、皆さんの学んできた学修の成果を発表しました。自らの問題意識から課題を設定し、解決を求めて調査研究したもの、地域社会での実際的な課題を分析したもの、舞台芸術の創作やパフォーマンスを中心としたものなど、学修の集大成であるそれらの発表に接して、私は、本学でのこれまでの日々の学びによって皆さんが身に着けた確かな力を実感しました。
これまで皆さんが行ってきた「学ぶ」という行為。それは、今はわからないけれどわかるようになりたい。今はできないけれどできるようになりたい。その思いに促されて行う行為です。それは、単に、いまの自分に何かを付け足すというのではなく、いま自分の持っている力をすべて出し切り、いまの自分の殻を壊して、自分自身を作り変えていく。それが「学ぶ」という行為です。その「学び」を最後の段階までやり遂げ、自らを成長させて、皆さんは、いま、ここにいます。
皆さんが、いま持っている力とは何でしょうか。本学での学びによって、皆さんは、どのような力を持つ人間として、ここにいるのでしょうか。
どのような学問であっても、人間との関りはあるでしょう。モノづくりの分野でも、人の役に立つもの、人に喜んでもらえるものを作るためには人間の視点が欠かせません。さまざまな学問がある中で、皆さんは、教育学、保育学、福祉学、介護学、言語学、コミュニケーション学、そして心理学など、人間の本質や人間の生きることの基本を探究する学問を体験し、その知識・技能を身につけました。その専門性は皆さんの持っている大きな力です。そして、さらに大事なことは、皆さんが、人についての専門的な知識・技能を持つだけでなく、それを社会で実践することができる人間として、いま、ここにいるということなのです。
皆さんが学んできた東北文教大学は、人を学ぶ大学、地域を創る有為な人材を育成する大学として、皆さんが安心して自らを成長させることができるよう、全力で皆さんの学びを導き、そして支援してきました。その学び舎の学長として、皆さんが、社会において、それぞれの持つ力を存分に発揮してくれると信じています。
これからの日本社会は、皆さんが持っている人間についての、そして人間としての確かで専門的な力を必要としています。人口減少が加速する現在、人口の約三パーセントを占める外国人の数は二〇七〇年には十パーセントに達するだろうと言われています。外国人旅行者もますます増加していくでしょう。私たちは、いま、多様な人びとが調和して、ともにより良く生きていく社会をどうしたら実現できるのかという課題に直面しているのです。教育や保育の面でも、これからの社会の中で、すべての子どもたちが、それぞれの持つ能力・個性を生き生きと伸ばしていけるよう、着実に前向きに課題の解決に取り組んでいける人が必要です。社会は、皆さんの活躍を待っています。皆さんが、本学での学びで身につけた成果は、いま、ここにいる皆さん自身の中に、生きる力としてあります。地域社会に生きるすべての人が、ともに充実して生きていくことのできる温かい社会の実現のために、その力を実践することの喜びと誇りを持って、未来への道を力強く歩んで行かれることを期待しています。
結びとして、あらためて皆さんの卒業・修了を心から祝福し、これからの皆さんの元気な活躍を祈念して、学長式辞とします。
令和八年三月十八日 学校法人富澤学園 東北文教大学・東北文教大学短期大学部 学長 須賀一好