大学紹介

令和8年度入学式 学長式辞

式辞

 

東北文教大学・東北文教大学短期大学部、そして東北文教大学留学生別科に入学された新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。皆さんの御入学を心から歓迎します。そして、今日の良き日を心待ちにされていたことと存じます、御家族の皆様にもお祝いを申し上げます。また、お忙しい中、本日の入学式にご臨席を賜りましたご来賓の方々に対し、教職員を代表して厚く御礼申し上げます。

さて、学生生活の第一歩を踏み出された皆さんに、今日は本学の建学の精神にかかわるお話しをしたいと思います。お手元の桜色の入学式の冊子、その中ほどにも記されていますが、本学の建学の精神は「敬愛信」です。ケイは「敬う」のケイ、アイは「愛する」のアイ、シンは「信じる」のシンです。

富澤学園の創設者である富澤カネは、『思い出のままに』という回想録の中で、次のように語っています。

「私達夫婦が建学の精神、富澤学園のバックボーンを何にするか真剣になって考えたのは、昭和十五年頃であった。職業学校と言っても技術と教養を身に付ける、それだけでいいのだろか、人間として最も大切な事は何か。
「どんなに時流が変っても、人間として生きるため、これだけは変るまい、とつきつめて考え生まれたのが「敬愛信」である。人を敬し、人を愛し、人を信ずる。又それは人に敬され、人に愛され、人に信じられる人間になってほしい、という願いがこめられている。」
以上です。

このように、世の中の多くの人の価値観が、時代の流れの中で変わっていったとしても、決して変わることのない「人間として最も大切な事」として“人を敬い、人を愛し、人を信じる”ことを挙げたのです。

例えば、ヒトの発達を考えてみましょう。
ヒトは、もともとさまざまなことを積極的に学ぶ生き物です。それは、母親の胎内にいる時から始まっています。例えば、母親の心臓の鼓動や母親が話す言葉のリズムなど、胎児を取り巻く環境から情報を得ながら、外の世界に出る準備をしています。
そして、誕生です。外の世界に出てからも、積極的に環境に関わり、物の動き、その法則性など、子どもは自分で学んでいきます。偶然手に触れたボールがコロコロ転がるのを、赤ちゃんはまるで博士のようにじーと見つめています。「いったい、この世界はどうなっていんじゃ?」と言わんばかりです。
ただ、それまでと違うところは、まわりにさまざまな人がいることです。まわりの人から大切にされ、愛され、信じられると、その人との間に親しい関係が生まれます。そして、その人がやっていることに自分もチャレンジしたいと思うようになります。例えば、自分も眼鏡を使ってみたいとか。また、親しい人がそばにいると、少しだけ頑張れるようになります。例えば、毛むくじゃらでワンワンと吠える動物に、少し近づいてみようかなとか。
親しい人、つまり自分のことを大切にして、愛して、信じてくれる人がいることで、自分も人を信じて、あるいは自分を信じてさまざまなことにチャレンジし、多くのことを学んでいきます。この人生最初の学びの構造は、生涯を通じて変わりません。自分の力で学ぶとともに、自分を大切にし、愛し、信じてくれる人と一緒に学び続けていきます。そして時には、次の世代・後輩を大切にし、愛し、信じることを通して、自分がそれまで学んできたことを次の世代へとつなげていきます。

そう考えると、「敬愛信」は、まさに「人間として最も大切な事」の一つ、人が学び、その学びを次の世代へとつないでいくためのエネルギーになることなのではないかと思います。

東北文教大学・東北文教大学短期大学部は、人を重んじた教育・研究を大切にし、「人」を学び「人」を大切にし「人」を育てる大学を目指しています。この目標は、実は大学だけでは達成することができません。本日入学された皆さんとともに、一緒に学びの場を作ることで、初めて達成することができます。まずは、「敬愛信」の「敬」、互いを大切にするところからスタートでしょうか。皆さんが学ぶうえで、大学生活を送るうえで、気づいたことがあれば、ぜひ教えてください。そして、一緒にこの大学を育てていきましょう。

結びに、皆さんのすべてが、東北文教大学・東北文教大学短期大学部で充実した学生生活を過ごされ、それぞれの未来に向かって、元気に歩み続けることを祈念して、式辞とします。

 

令和八年四月四日

東北文教大学

東北文教大学短期大学部

学長  福田 真一