南山形の言語特徴

山形県の言語区画は、大きく庄内、最上、村山、置賜、小国に分けられる。南山形地区は村山地方の南部、山形市のさらに南西部、上山市と接するところにある。その言語的特徴は、独自かとも思われる語彙を一部に交えつつも、村山地方にほぼ一致する。その詳細は『山形県方言辞典』(はしがき前掲)『山形県のことば』(平山輝男編、明治書院、1997)、『遠い方言 近い方言』山形大学人文学部編、山形大学出版部、2012)ほかに任せることとし、ここでは本ことば集に関わる範囲で、発音に関わるわずかのことにのみ触れておく。

  • イとエの区別があいまいな傾向:ウガとウガッキツカスとッキツカス
  • 語中・語尾のカタ行の有声化傾向:イナリ(いきなり)、ヘ(ヘタ、下手)
  • 語中・語尾のガザダバ行が入り渡り鼻音で発音される傾向:マド(窓)など。ズケ/ズゲ(辞儀)のように、語形の揺れとして現れる場合もある。
  • ジ(シ)がズ(ス)に発音される傾向:ミル(凍みる)、サマ(爺様)
  • チがツに発音される傾向:ツツコ(乳こ)
  • セ(ゼ)音がシェ(ジェ)に発音される傾向:シェシェ(先生)
  • 接近音が摩擦音化する傾向:シェー(エー、良い)、ハネシャガル(ハネヤガル、跳ね上がる)、シェデマエ(得手前)
  • 特殊拍(ン、ッ、―[伸ばす音])の脱落傾向:アズコト(アズコト、案じ事)、アゲ(アケ)、ジョサネ(ジョサネ、造作ない)
  • 連濁現象(複合語の後部成素頭が濁音になる)が少ない傾向:サエモンダリ(祭文語り, サエモンガタリ)

南山形地区

南山形地区は、古くから出羽の国を貫通する出羽大道が通り、調査地点でもある松原は宿場町として栄えてきた。その概略は山形市観光協会や、南山形地区 - 山形市役所を参照のこと。以下の地図では、青いマーカーをクリックすると地区名と調査協力者の人数がポップアップする。


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