40 嫁の団子

 嫁と姑いて、ほの嫁さま、姑いねどき、何とか腹いっぱい食ってみたいと、やかましくてやかましくて、おかちゃん居っどき、腹いっぱいも食んね。三杯目なの出す勘定すっど、にらめられる。
「くそ、こりゃ、腹いっぱい食って見っだいなぁ」
 ていた。ほしてある時、姑おかちゃんが用達し行ったどこ見て、いきなり団子の粉練って、ほして団子搗き始めた。ほうして熱くして醤油つけて食うべと思ったどこさ、おかちゃんが来た。つうと食い始めっだった。いきなり熱いな呑んでやった。そして向うの方見て、知しゃねふりして、
「おかちゃん、おかちゃん、あの山、何ていう山だっす」
 て言うた。
「な、あの山ざぁ、団子喉焼け山て言うなだ」
「はぁ、ほんでは、おら方の、アテツケ川だいなだっだなっす」
 て言うた。どんぴんからりん、すっからりん。
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