38 馬場数衛の家

 この和田にある馬場数衛の家というのは、大きい家で、破風だけで、二間と三 間ぐらいあったそうだ。
 その破風に、三年も泥棒が巣食ってあったど。
 なるほど、盛りには蚕おいた家で、桑こき衆が、昼間だどいうど、どこの人が 何人、御飯食ったが、さっぱり分らねがったど。昼間ていうど、みな集まって来 てよ。
 和田では馬場数衛、長手では白石吉兵衛、それから亀岡では船橋盤内て、この 三軒は、大名つぶっでも、つぶんねていわっだぐらい、資産家だったど。
(佐沢・山田喜一)
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