6 内原の狐

 宮内(南陽市)の近くに内原ていうどこに、角力とり狐ざぁいたど。
 お角力さんが、御祝儀に苞持って、原っぱまで来たとき、やっぱり、
「おれは、内原にいる狐なごんだ。お角力さん、狐の御祝儀さ行ってみねが」
 コロコロっていうけぁ、女になったもんだど。ほうしたら、あんまり器量ええ もんだから、角力とりぁ惚れたもんだずも。
「ほんじゃ行くべ。お前、ほんとに狐が」
 て、だど。
「おれ、狐だごで。んだから狐の祝儀さ連 (せ) て行ぐんだ」
 ほして、その苞盗 (と) りじゃくてよはぁ、そうして角力が本性でで言うには、なに ころましいが(にぎやか)わかんねがったど。狐嫁入 (むかさり) はやっぱり、角 (つの) かくしかぶっ て、そうして狐に騙さっじゃんだから、原っぱで、朝草刈りに行ってもよ、一生 懸命で踊りおどっていだっけど。まるで裸でな。たまげてしまって、
「お角力さん、狐になったでねぇか」
 ていうど、
「いや、黙ってろ、いま、御祝儀さ招ばっできた」
 ていう話だど。
(中沢・安部その)
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