シラバス

青少年問題と社会教育

開講年次：3年次

卒業：選択

開講時期：後期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

滝　口　克　典

■ 科目のねらい
　この科目は、専門教育科目で修得した知識・技能を一層高め、教育・保育の現場で実際に応用できる
能力の修得を目指して、専門発展科目の「地域社会の理解」に区分されており、選択科目として配置
している。（DPに対応する中項目：④⑤⑥）

■ 授業の概要
私たちの社会には、子ども・若者たちをめぐるさまざまな問題が存在する。そうした困難を抱える子ども・若者たちの問題を社会教育（学校外教育）は「青少年問題」と捉え、さまざまな対処を行ってきた／いる。
この授業では、現在の日本において子ども・若者たちが抱える困難とはどのようなものなのか、彼（女）らにまつわる
社会問題をひとつずつ具体的にとりあげ、その実態について解説していく。同時にまた、それらの問題に対し、社会教育がどのようなとりくみを行ってきた／いるのか、あるいは行いうるのかについて、さまざまな具体例に触れつつ考えていく。

■ 達成目標・到達目標
① 現代日本のさまざまな青少年問題とその背景について理解し、概要を他者に説明できるようになる。
②青少年問題に対する社会教育のとりくみとその意味について理解し、それを他者に説明できるようになる。
③青少年問題のさまざまなトピックについて関心をもち、自分で調べることができるようになる。
④ さまざまな青少年問題について、自分なりの意見をもち、他者にそれを表明できるようになる。

■ 単位認定の要件

■ 単位の認定方法及び割合
授業内提出物：30％　授業内活動：70％

■ 授業計画

第1回イントロダクション　「青少年問題」とは？

授業のガイダンスならびに「青少年問題」とは何かについての解説を行います。

第2回「家族」のなかの青少年問題①　現代家族

映画『海街diary』（2015）などをもとに、家族の現在的なありようについて考えます。

第3回「家族」のなかの青少年問題②　子どもの貧困

映画『万引き家族』（2018）などをもとに、子どもの貧困という問題について考えます。

第4回「家族」のなかの青少年問題③　ひきこもり

アイ・メンタルスクール寮生死亡事件（2006）などをもとに、ひきこもりの問題について考えます。

第5回「学校」のなかの青少年問題①　いじめ

映画『許された子どもたち』（2020）などをもとに、いじめや学校暴力の問題について考えます。

第6回「学校」のなかの青少年問題②　不登校

教育機会確保法（2016）などをもとに、不登校の問題について考えます。

第7回「学校」のなかの青少年問題③　性的マイノリティ

映画『女になる』（2017）などをもとに、性的マイノリティ差別の問題について考えます。

第8回「労働」のなかの青少年問題①　非正規雇用

秋葉原連続殺傷事件（2008）などをもとに、非正規労働の問題について考えます。

第9回「労働」のなかの青少年問題②　ブラック企業

電通過労自殺事件（2015）などをもとに、ブラック企業問題について考えます。

第10回「労働」のなかの青少年問題③　労働運動

映画『アリ地獄天国』（2019）などをもとに、若者たちの労働運動のありようについて考えます。

第11回「排除」のなかの青少年問題①　若者ホームレス

雑誌『BIG ISSUE』などをもとに、若者ホームレスの問題について考えます。

第12回「排除」のなかの青少年問題②　自殺

楽曲「あかり」（2011）などをもとに、若者の自殺の問題について考えます。

第13回「排除」のなかの青少年問題③　社会的包摂

若者支援NPO「ぷらっとほーむ」（2013-19）などをもとに、社会的包摂のための居場所づくりについて考えます。

第14回新書で読む青少年問題

青少年問題を扱った新書をためしよみするワークショップを行い、文献の読みかたについて学びます。

第15回まとめとふりかえり

青少年問題と社会教育を読み解くさまざまな視点について、改めてまとめとふりかえりを行います。

■ 時間外学修
参考文献を読み、その感想やレビューをレポートにまとめます（各4時間）。

■ 課題に対するフィードバック
毎回授業の終わりにふりかえりを行い、そのシートを回収します。回収したシートについては、次の授業の際に優れた内容のものをとりあげ講評を行います。

■ 使用テキスト・教材
そのつど指示します。

■ 参考文献等
そのつど指示します。

■ 備考
とりあげる事件や題材、内容については、学習状況に応じて一部変更することがあります。

2022年度 シラバス 人間科学部 子ども教育学科

2022年度　シラバス　　人間科学部　子ども教育学科