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心理調査概論

開講年次:2年次

卒業:選択  認定心理:必修

開講時期:後期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位

松 田 浩 平


■ 科目のねらい
心理調査とは,社会生活上で心理学の研究手法を用いて調査し結果を解釈し,その結果を用いて社会に活用することである。この科目では,調査が必要とされる対象について,適切な方法を心理学研究法のなかから選択し,調査して結果を客観的な手続きで解釈し報告する能力を養成することを目的とする。(DPに対応する中項目:①②⑧)

■ 授業の概要
心理学は実証科学であり,測定や調査の結果に基づく基本的にデータサイエンスである。心理学の研究法は,実験法,調査法,観察法の3つに大別される。本科目では、このうち調査法について講義を行う。心理学研究における調査法は,予め準備され統制された質問に対し,多数の協力者(被験者群)から回答を集め,その結果を統計処理して被験者群の心理的状態や行動の状況について,実態を解明したり仮説の検証を試みる。調査法も,いわゆるいわゆるアンケート(enquête)調査と呼ばれる実態調査と,仮説探索、仮説検証をねらいとした調査に分けられる。このうち,心理調査は、仮説探索や仮説検証に目的とした調査が一般的である。
授業でとりあげる調査手法は,調査法,実験法,観察法,面接法,尺度構成法,検査法である。またこれらの結果から,仮説探索を行うための多変量解析の技法や,仮説検証を行うための推測統計法についてもとりあげる。更に,調査の実施にあたり倫理的配慮や実施の具体的方法についても触れる。

■ 達成目標・到達目標
心理調査における計画・実施・結果の処理に関する一連の理論と技法を理解していること。
1. 心理学研究の手法から,調査法を必要とする問題や課題を選択することができる。
2. 調査目的に準拠した,倫理的な配慮を施し統制された調査票を立案し作成することができる。
3. 調査結果に対して,適切な統計的技法を用いて仮説探索や仮説検証ができる。
4. 調査結果にもとづいて,報告書を作成することができる。

■ 単位認定の要件
上記の達成目標うち,少なくとも1~3までを満たすことが単位認定の最低要件(60点)とする。

■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート:60% 授業内提出物:30% 授業内試験:10%

■ 授業計画


















■ 時間外学修
この科目は、本来なら演習と講義のペアで開講されることが好ましい。しかし,時間的制限から講義科目のみで開講している。そのため受講生は毎週4時間程度の自習時間を確保することが求められる。各回の授業について,必要に応じて演習課題を課すことがあるので,授業時間外に課題についてレポートにまとめること。また,教科書の中で引用される事例について,授業中の指示に基づいて調べておくこと。

■ 課題に対するフィードバック
基本的に授業内で報告するが,必要に応じてレポートなどを添削し,必要に応じて再提出を求めることがある。

■ 使用テキスト・教材
心理調査の基礎,日本心理学会監修,サトウ タツヤ・鈴木直人(編集),2017,有斐閣,ISBN: 978-4641174283

■ 参考文献等
・質問紙調査の手順 (心理学基礎演習),小塩真司・西口利文(編),2007,ナカニシヤ出版,ISBN: 978-4779502002
・なるほど! 心理学調査法(心理学ベーシック第 3巻),大竹恵子,2017,北大路書房,ISBN: 978-4762829901
・Q&A 心理データ解析, 服部 環・海保博之, 1996, 福村出版, ISBN: 978-4571200557
・続・心理統計学の基礎--統合的理解を広げ深める(有斐閣アルマ),南風原朝和,有斐閣,ISBN: 978-4641220416

■ 備考
この科目は「認定心理士(心理調査)」の必修科目として公益社団法人日本心理学会が定める科目であるが,心理学分野に限らず,卒業研究や課題研究でアンケート調査や質問紙調査を考えている学生は履修することが望ましい。
なお「認定心理士(心理調査)」の資格取得を希望する者は、公益社団法人日本心理学会の資格認定要件により別途、課題研究(または相当する科目)において心理調査に関するテーマを選び報告書を提出する必要がある。

 
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