2019年度 シラバス
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人間科学部 子ども教育学科
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幼児理解の理論と方法
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開講年次:3年次
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卒業:選択 幼稚園教:必修 認定心理:必修
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開講時期:後期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
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■ 科目のねらい |
この科目は,子どもの育ちに深い洞察力を持ち,教育・保育を構想し,具体化し,実践するための基礎的知識を身につけるために設置した科目である。 幼児理解に必要な理論的視点について,心理学的理論を中心に学習し,それを幼児教育の中で起こる種々の事例にあてはめて考察できるようになることをねらいとする。
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■ 授業の概要 |
幼児理解について,認知能力や言語獲得,自己意識や社会性の発達といった多角的視点から捉えるとともに,このような幼児の発達に対して,養育者や保育者の果たす役割や支援方法について考察する。 この授業では,主要な学習内容について,以下の3つの段階を想定して授業を行う。1)幼児の発達過程とそのメカニズムについて理解し,事例に当てはめて考察できる,2)幼児理解と評価について,事例に当てはめて考察できる,3)授業で学習した知識を使って,幼児期の教育や養育のあり方について考察できる。
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■ 達成目標・到達目標 |
@幼児の発達過程とそのメカニズムについて理解し,事例にあてはめて考察できる。 A幼児理解と評価について,事例にあてはめて考察できる。 B授業で学んだ知識を使って,幼児期の教育や養育のあり方について考察できる。
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■ 単位認定の要件 |
@〜Bが60%以上達成されていること。授業内容をふまえて設定する課題レポートにより評価する。
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■ 単位の認定方法及び割合 |
期末レポート:80% 授業内提出物:20%
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第1回 |
人間の発達の特性
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進化の過程で人間に備わった出生過程をふまえ,人間に特異的な養育の重要性及び母子関係の有する重要な意味について考察する。
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第2回 |
乳幼児理解の方法
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乳幼児研究における観察法の意義について,先行研究を参照しながら学ぶとともに,種々の観察法とその特徴について概観する。
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第3回 |
人間の発達と初期環境
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人間と環境の相互作用の観点から,発達の可塑性や適切な環境の持つ意味,人間発達の可能性について展望する。
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第4回 |
言語の獲得
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言語獲得の過程とそれらを支える生活世界との相互作用,言語獲得における制約について展望する。
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第5回 |
自己意識の発達
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自我の発達段階と自己意識の確立までの過程を展望し,それらの具体的表れとなる幼児の行動の理解を図る。
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第6回 |
言語機能の発達
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他者との相互作用を通じての言語の認識ややりとり,及び,言語と思考の関連について展望するとともに、言語行動を通じた幼児理解を図る。
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第7回 |
認知機能の発達
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幼児期の認知発達の特徴について,ピアジェの認知発達理論を取り上げながら展望する。幼児の認知の特徴に即した幼児理解,教育方法について学ぶ。
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第8回 |
数概念・読み書きの発達
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計数能力の発達や文字学習,読み書きの習得過程と,そこに関与する他者とのかかわりの持つ意味について学ぶ。
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第9回 |
学びの変化
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児童期にかけての言葉の発達や学びの変化について,幼児の行動に表れる種々の現象の理解を図る。
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第10回 |
心の発達と関係性
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養育者・保育者・教師が乳幼児にかかわる際の心性について学ぶとともに,それらが乳幼児の自他理解に及ぼす影響について考察する。
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第11回 |
幼児の「心」への気づき
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自他の「心」への気づきの芽生えと,自他の心的状態の相違への気づきを示す行動について理解を図る。
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第12回 |
気持ちの理解の発達
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心を理解する能力の成長や,感情や動機を察する能力の発達過程と,それらの能力の獲得がもたらす幼児の心理的変化について,養育者・保育者・教師の適切なかかわり方を含めて学ぶ。
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第13回 |
幼児理解と評価
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幼児教育の原則に照らした,幼児理解と評価の方法について学ぶ。
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第14回 |
幼児教育の展開
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幼児理解と評価に基づいた幼児教育の展開について学ぶ。
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第15回 |
まとめ
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養育者・保育者・教師の役割について、総合的視点に立って考察する。
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■ 時間外学修 |
次回で取り上げる内容について、教科書の該当箇所を事前に確認し、初出の用語を辞典などで調べる(目安時間:各回約2時間)。 授業後はノートや資料を復習して理解を確実にする。授業の中で初めて出会った内容について、自分でも辞典などで調べて再度確認する(目安時間:各回約2時間)。
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■ 課題に対するフィードバック |
授業内提出物についてはその後の授業時間の中で取り上げるなどして,全体に向けたフィードバックを行う。
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■ 使用テキスト・教材 |
内田伸子『新心理学ライブラリ=2 幼児心理学への招待[改訂版]―子どもの世界づくり―』(サイエンス社)2008.
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■ 参考文献等 |
丸野俊一・子安増生(編)『子どもが「こころ」に気づくとき』(ミネルヴァ書房)
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■ 備考 |
授業の進捗状況により,内容の伸縮等変更されることがある。 レポートは『図書館利用のしおり』の「レポートの書き方」をふまえて作成すること。
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■ 連絡先 |
m_hanaya(at)g-tbunkyo.jp
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