2019年度 シラバス
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人間科学部 子ども教育学科
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共生社会と宗教
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開講年次:3年次
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卒業:選択
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開講時期:後期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
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■ 科目のねらい |
この科目は、専門教育科目で修得した知識・技能を一層高め、教育・保育の現場で実際に応用できる能力の修得を目指し て、専門発展科目の「地域社会の理解」に区分されており、選択科目として配置している。
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■ 授業の概要 |
諸文化には、ライフ・サイクルに沿って行われる「年中行事」と、ライフ・ステージごとに行われる「人生儀礼」が必ず存在する。 この授業では、「暦」と「年中行事」、「齢」と「人生儀礼」に関わる儀礼・表象・観念について、さまざまな事例をもとに検討する。 海外との比較を行いながら、日本および東北地方の宗教文化の特徴を理解することを目的とする。
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■ 達成目標・到達目標 |
@宗教と社会に関する幅広い教養を身につけた上で、地域文化について主体的に議論することができる。 A経験科学的な思考法を習得・応用しながら、信仰と価値について客観的に説明することができる。 B地域社会における信仰現象の諸事例について、好奇心をもって調査・探求し論述することができる。
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■ 単位認定の要件 |
上記@ABのいずれか2つを十分に達成すること。
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■ 単位の認定方法及び割合 |
期末レポート:50% 授業内試験:50%
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第1回 |
イントロダクション
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授業の目的・進め方・履修上の注意点等を説明する。 諸文化における時間観念の多様性について学ぶ。
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第2回 |
暦と年中行事
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年中行事の宗教的側面について、さまざまな暦(宗教暦・農事暦等)から学ぶ。
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第3回 |
春と夏の宗教学
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春夏に行われる「まつり」の諸事例をもとに、「祈願」と「供養」について考える。
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第4回 |
秋と冬の宗教学
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秋冬に行われる「まつり」の諸事例をもとに、「まつり」の社会的機能について考える。
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第5回 |
齢と人生儀礼
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人生儀礼の宗教的側面について、さまざまな年齢制度・習俗から学ぶ。
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第6回 |
誕生の宗教学
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誕生・成育にまつわる諸儀礼(名づけ、初宮詣、歯固め、初誕生)をもとに、「俗信」について考える。
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第7回 |
こどもと若者の宗教学
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七五三から成年式までの通過儀礼をもとに、「年齢規範」について考える。
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第8回 |
おとなの宗教学
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結婚・出産にまつわる諸祈願(縁結び・子宝・安産)をもとに、「性と再生産」について考える。
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第9回 |
老いの宗教学
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超高齢社会における老い方と人生観について考える。
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第10回 |
病の宗教学
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健康祈願の諸事例をもとに、現代社会における「病気と健康」について考える。
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第11回 |
医療の宗教学
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現代医療および脱医療化における宗教文化の機能について考える。
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第12回 |
ケアの宗教学
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被災地および医療機関における「臨床宗教師」(日本版チャプレン)の活動を紹介し、心のケアについて考える。
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第13回 |
死の宗教学
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死生学の諸理念(人称性・受容プロセス・他界観等)をふまえ、「看取り」と「葬送」の現状を考える。
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第14回 |
死後の宗教学
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日本および東北地方における死後観念について考える。
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第15回 |
まとめ
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授業全体を振り返り、理解度および目標達成度を確認する。
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■ 時間外学修 |
【予習】各回のキーワードを調べ、ノートにまとめておく(目安時間:各1時間)。 【復習】配布資料を熟読し、ノートにまとめ、説明できるようにしておく(目安時間:各2時間)。 レポート作成のための資料調査/フィールドワークおよび執筆(目安時間:15時間)。
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■ 課題に対するフィードバック |
授業開始時に、前回の振り返りを行う。必要に応じて、添削や助言を行う。
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■ 使用テキスト・教材 |
授業中にプリントを配布する。
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■ 参考文献等 |
新谷尚紀・湯川洋司・波平恵美子(編)『暮らしの中の民俗学』1〜3(吉川弘文館、2003年)、各2,600円+税。 その他授業中に適宜紹介する。
ippeishoji(at)gmail.com
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■ 連絡先 |
ippeishoji(at)gmail.com
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