2019年度 シラバス
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人間科学部 子ども教育学科
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男女共同参画社会
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開講年次:3年次
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卒業:選択
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開講時期:前期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
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■ 科目のねらい |
性別によらず誰もが輝ける男女共同参画社会の実現は我が国での重要課題と位置づけられています。教育現場においても、男女の差別のない学校・クラス運営、授業や保育が求められています。また、現場で出会う子どもや保護者の問題を、多角的に社会問題として見る視点や思考が必要です。この授業ではその視点としてのジェンダーを身に付け、問題を考える力を養うことを目的とします。
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■ 授業の概要 |
男女共同参画社会を考える時のキー概念は、社会の中に見えないルールとして潜在し、内面化しているジェンダーです。この授業では、その概念を理解し、その視点で私たちのくらしや社会問題を再考し、多様な一人ひとりがその人らしさを発揮できる男女共同参画社会をそれぞれの現場や地域で実現にするにはどうしたらよいかを考えます。 授業では、授業者の男女共同参画センターでの実績や事例も活かしながら、講義やDVD視聴、シミュレーション、グループワークを多く取り入れ、多様な考え方を学び、主体的に学ぶ態度を醸成します。 まずはジェンダーの概念を理解し、ジェンダーが構築されるメカニズムとその実際を考えます。さらに身近な家族や仕事、社会問題にジェンダーがどのように影響しているかを考え合い、自分の問題として捉えると共に、教育現場で出会うであろう子どもや保護者への影響も考えます。さらに山形の行政や地域の取り組みを知り男女共同参画社会についての考察を深めます。それらを通し、社会事象や問題を多角的に考えるジェンダーに敏感な視点を培います。
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■ 達成目標・到達目標 |
@男女共同参画とジェンダーに関わる基礎的な知識を得、日常のくらしの問題と結びつけて説明できるようになる Aグループワークの中で、多様な意見を聞き、自分との相違点を発見・分析し、発表できる Bジェンダーの視点から社会事象や問題を考察し、その結果を論理的に発表、記述できるようになる
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■ 単位認定の要件 |
@〜B項目について、60%以上達成すること
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■ 単位の認定方法及び割合 |
期末レポート:40% 授業内提出物:40% 授業内活動:20%
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第1回 |
講義ガイダンス・男女共同参画社会とジェンダー
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講義の概要を知る。 男女共同参画社会とジェンダーの概要を知ります
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第2回 |
ジェンダーの多様性
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ジェンダーとその多様性について理解を深めます さらにその形成要因を考えます
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第3回 |
構築されるジェンダー
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『白雪姫』比較やプリンセス物語の推移を通し、ジェンダーを形成する担い手としてのメディアを考えます
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第4回 |
らしさと性別役割分担
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社会で期待される女/男性像と性別役割分担について、グループワーク等も交えながら考えます
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第5回 |
教育とジェンダーを考える
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教育の制度、教科書、授業、モデルとしての教員等をジェンダーの視点で考えます
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第6回 |
家族の諸問題を考える1
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近代家族・主婦の誕生、そこから生まれた現代の家族の問題を考え討議しあいます
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第7回 |
家族の諸問題を考える2
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恋愛と結婚は愛がすべて? 未婚・晩婚化はどうして起こる?受講生のアンケート結果も用いて討議し考えます
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第8回 |
仕事の問題を考える
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仕事に男女別はあるの?働き方は一つじゃない。みんなはどんな働き方をしてる? 現代の男女が望む生き方・働き方と自分のそれとを比較して考えます
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第9回 |
くらしと仕事の問題を考える1
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現代の男女の生き方・働き方の背景にあるジェンダーの問題を掘り下げ、さらにくらしと仕事の両立を妨げる要因を考えます。どうしたらそれぞれが望む働き方ができるの考え合います
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第10回 |
くらしと仕事の問題を考える2
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どうしたらイキイキと暮らし働ける? ワークライフバランスをノルウエイの例から考えます
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第11回 |
貧困とジェンダーを考える
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社会的問題としての貧困をジェンダーの視点で考えます
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第12回 |
暴力とジェンダーを考える
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DV・デートDVの現実とその背景について考えます
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第13回 |
男女共同参画社会への取り組み1
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山形県における男女の暮らしと仕事の実情・問題を考え、さらに行政の男女共同参画の取り組みを知ります
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第14回 |
男女共同参画社会への取り組み2
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生きやすい社会を作るには?男女共同参画社会基本法、雇用企画均等法など男女平等な社会を目指すための法律についてDVD視聴も通しその意義と問題点を考えます
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第15回 |
ジェンダーと私と社会
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生きやすい社会とは?男女共同参画社会とは?これまで学んだことを振り返り、私たちの生き方、これからの社会との関連を考えます
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■ 時間外学修 |
・授業で学んだことを授業プリント、新聞記事を熟読しながら復習し、自分自身の問題として捉え、ふりかえりシートに 記入し理解を深め、他者に説明できるようにしておく(目安時間:約8時間)・課題やレポートのための資料探索及びレ ポートの執筆をする(各課題について6時間)
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■ 課題に対するフィードバック |
回収したレポートに関しては、返却時に簡単なコメント、ならびに全体に対して、いくつかのレポート(考え方)の 紹介、全体の講評を行う
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■ 使用テキスト・教材 |
授業中に教材プリントを配布
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■ 参考文献等 |
千田有紀他著 2013『ジェンダー論をつかむ』有斐閣 伊藤公雄・牟田和恵著 2015『ジェンダーで学ぶ社会学(全訂新版)』世界思想社 河野銀子・藤田由美子著 2015『教育社会とジェンダー』学文社
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■ 備考 |
男女共同参画社会やジェンダーに関係すると思われる社会問題に関心をもつことが望まれます。日頃から関係すると思われる新聞等の記事を読んでおいてください。 グループワークを大切にしますので、自分なりの考えを述べ主体的に参加することが必須です。
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■ 連絡先 |
齋藤由美子(ym_saito[at]g-tbunkyo.jp)
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