2019年度 シラバス
|
人間科学部 子ども教育学科
|
|
心理検査法
|
開講年次:3年次
|
卒業:選択 認定心理:必修
|
|
開講時期:前期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
|
■ 科目のねらい |
この科目は,子どもの理解から人間の理解へと学習の視野を広げ,乳幼児期から児童期までの連続した子どもの育ちを理解するために設置した科目である。 児童生徒理解,幼児理解の手段として,心理検査が用いるにあたり,専門家として留意すべき基本的事項について理解を深める。
|
■ 授業の概要 |
児童生徒理解,幼児理解の手段として,心理検査が用いられることがあるが,心理検査結果の誤用の危険性を排除し,適正に活用するためには,検査の成り立ちやその特性,及びその限界について十分理解しておくことが重要である。 この授業では,どのような心理検査があるか,どのような目的のためにどのように使用するかを紹介する。
|
■ 達成目標・到達目標 |
@目的によってどのような心理検査法があるかを述べることができる。 Aよく使用される知能検査,性格検査の検査結果のスコアやプロフィールの意味が理解できる。 B投影法とはどのような検査方法なのかを解説できる。
|
■ 単位認定の要件 |
@とBについて十分に解説でき,Aについて60%以上理解していること。
|
■ 単位の認定方法及び割合 |
授業内提出物:70% 授業内試験:30%
|
第1回 |
心理検査とは
|
|
心理検査とはどのようなものか,どのような種類があり,どのように使用するかについて知る。
|
第2回 |
検査の進め方
|
|
心理検査を行う場合の一般的な留意点について学ぶほか,報告レポートの書き方について知る。
|
第3回 |
性格検査法1
|
|
性格検査について概説する。矢田部ギルフォード性格検査の目的と使用方法について学ぶ。
|
第4回 |
性格検査法2
|
|
エゴグラムの目的と使用方法,その背景にある理論を知り,実際に体験する。
|
第5回 |
性格検査法3
|
|
バウムテスト,P-Fスタディの目的と使用方法を知り,実際に体験する。
|
第6回 |
性格検査法4
|
|
絵画統覚検査,文章完成法検査の目的と使用方法を知り,実際に体験する。
|
第7回 |
性格検査法5
|
|
ロールシャッハテストの目的と使用方法,及びスコアリングについて概説し,解釈例を提示する。
|
第8回 |
発達検査法
|
|
遠城寺式乳幼児分析的発達検査法,K-ABC心理教育アセスメントバッテリーの目的と使用方法について学ぶ。
|
第9回 |
知能検査法1
|
|
ビネー式知能検査の理論と使用方法について学ぶ。
|
第10回 |
知能検査法2
|
|
ウェクスラー式知能検査の理論と使用方法について学ぶ。
|
第11回 |
社会生活能力検査法
|
|
新版S-M社会生活能力検査の使い方と検査結果の理解の仕方について学ぶ。
|
第12回 |
精神的健康に関する検査法
|
|
抑うつに関する検査,不安検査,GHQ精神健康調査票などの目的と使用方法について学ぶ。
|
第13回 |
職業適性検査法
|
|
労働省編一般職業適性検査,進路適性検査などの目的と使用方法について学ぶ。
|
第14回 |
質問紙調査法
|
|
質問形式による調査における尺度作成方法,使用方法,及びその限界などについて学ぶ。
|
第15回 |
観察法及び面接法,授業内試験
|
|
面接法及び事例研究法について,その特徴を知る。 また授業内で,心理検査全般に通底する基本的重要事項について記述する形式の試験を実施する。
|
■ 時間外学修 |
前回授業のノートや資料を熟読して理解を確実にした上で授業に臨むこと(目安時間:各回約2時間)。授業後は、授業のノートや資料を熟読して学習した内容を十分に理解し、授業内で提示する課題レポートに備えておくこと(目安時間:各回約2時間)。
|
■ 課題に対するフィードバック |
提出された課題についてその後の授業時間の中で取り上げ,さらに学習内容の理解を深めるための素材とする。
|
■ 使用テキスト・教材 |
必要に応じて授業の中で資料を配布するほか,参考図書を紹介する。
|
■ 参考文献等 |
願興寺礼子・吉住隆弘(編)『心理学基礎演習 vol.5 心理検査の実施の初歩』(ナカニシヤ出版)2011.山中康裕・山下一夫(編)『子どもの心にアプローチする 臨床心理テスト入門[2版]』(東山書房)2002.松原達哉(編著)『第4 版 心理テスト法入門 基礎知識と技法習得のために』(日本文化科学社)2002.
|
■ 備考 |
心理検査が他者理解の有効な手段となりうる一方で,心理検査ですべてが理解できるわけではなく,また,誤用によって有害に働く危険性があることにも十分に留意すること。
|
■ 連絡先 |
m_hanaya(at)g-tbunkyo.jp
|
|