東北文教大学    
   
 2019年度 シラバス 人間科学部 子ども教育学科

学習心理学

開講年次:3・4年次
卒業:選択  認定心理:必修
開講時期:後期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
村 木 英 治

■ 科目のねらい
この科目は、専門教育科目で修得した知識・技能を一層高め、教育・保育の現場で実際に応用できる能力の修得を目指して、専門発展科目の「人間と心理学の理解」に区分されており、認定心理士の必修科目として配置している。
■ 授業の概要
この科目では,ヒトを含めた動物にとっての学習のメカニズムを行動心理学および認知心理学の立場から解明してきた心理学の歴史を主要な学習理論や重要な心理実験を紹介しながら辿っていきたい。
学習心理学で盛んに議論されている様々な心理現象を正確に理解し、それに対応する心理学用語を的確に使いこなすことは心理学の他領域や心理臨床を含めた精神科学の分野に携わる専門家にとって必須の技術である。このように心理学に用いられている学習に関する基本的用語の意味を正確に理解し、またそれらの用語を駆使して学習の様々な形成を説明できるようにすることをこの授業の目的とします。
■ 達成目標・到達目標
@学習心理学で基本的知識として知られている心理学者の学習理論について学ぶ。
A学習心理学で基本的知識として知られている心理学用語をその概念とともに正確に理解する。
B学習心理学で用いられている心理学用語を駆使し、学習に関する心理プロセスを説明することができるようにする。
■ 単位認定の要件
毎回の授業のはじめに行われる前週の授業の内容について小テストとそれらの小テストの中から選び構成した期末テストの合計点を最終成績として評価します。小テストは再試験を行いません。やむをえない理由で小テストを受けられなかった場合のみ他の小テストの成績の平均点を補充します。なお期末テストの再試験も原則として行いません。
■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート:50% 授業内試験:50%
■ 授業計画

第1回  行動と認知の学習
  学習に関する心理学の歴史を行動主義と認知理論の立場から説明する。

第2回  古典的条件づけの基礎 I
  ロシアの生理学者パブロフによって用いられた古典的条件づけについて学ぶ。

第3回  古典的条件づけの基礎 II
 

第4回  オペラント条件づけの基礎 I
  生活体が自発的に環境に働きかけながら学習をおこなうオペラント条件づけについて学ぶ。

第5回  オペラント条件づけの基礎 II
 

第6回  技能学習
  人間のさまざまな学習の中から、特に動作や技術の習得についての学習について学ぶ。

第7回  社会的学習
  他者を観察することで形成される学習についての学ぶ。

第8回  問題解決と推理 I
  問題解決のプロセスを様々な心理学的立場から吟味する。

第9回  問題解決と推理 II
 

第10回  概念過程と言語獲得 I
  人間がいかに概念や言語を獲得していくかという問題を扱う。

第11回  概念過程と言語獲得 II
 

第12回  記憶と忘却 I
  記憶にまつわる様々な心理学的トピックについて学ぶ。

第13回  記憶と忘却 II
 

第14回  有意味材料の記憶と表彰
  ここでは言語的材料に関する記憶について学ぶ。

第15回  まとめ
 


■ 時間外学修
前回の授業内容を復習しそこで使われていた心理学用語を正確に理解し記憶すること。毎回の授業の初めにそれらをテストします(小テスト)。それらの小テストから選択したものを期末テストでも使います。小テストと期末テストを最終成績の決定に使います。したがって毎回の小テストで不正解の箇所を各自訂正しておくこと。(毎回約4時間)
■ 課題に対するフィードバック
毎回授業のはじめに実施する小テストについては前回と当日に説明を行う。
■ 使用テキスト・教材
山内光哉・春木豊(編著) グラフィック学習心理学 行動と認知 サイエンス社
■ 参考文献等
河野哲也 エコロジカルな心の哲学 ギブソンの実在論から 勁草書房
■ 備考
■ 連絡先