2019年度 シラバス
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人間科学部 子ども教育学科
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知覚心理学
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開講年次:3・4年次
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卒業:選択 認定心理:必修
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開講時期:後期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
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■ 科目のねらい |
本科目は、子どもの理解から人間の理解へと学修の視野を段階的に広げ、深化させる科目であり、人間の基本的な心理現象である知覚と感情の関係を実験的な成果にもとづいて理解することを目標とする。
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■ 授業の概要 |
心理学の重要な基礎分野のひとつである知覚心理学について学びます。心理学というとすぐに「悩みを解決する技法」と考えられがちですが、人に働きかけて人の心あるいは気持ちを変えることが心理学の目的ではありません。自分や他人を理解しようという姿勢が心理学の基本です。知覚は、人が環境から何をどのように取り入れるのかという、心理学の出発点に位置づけられる分野です。生活空間や周囲の人々も環境の一部です。そのように考えると、この分野の重要さがわかるでしょう。このような基本を理解しないで心理学に飛びつくのは危ういとさえ言えます。
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■ 達成目標・到達目標 |
@ 基礎心理学と応用心理学の立場の違いを簡単に説明できるようになる。 A 視覚や聴覚など、代表的な知覚のいくつかの仕組みについて簡単に説明できるようになる。 B 知覚と、認知・記憶など基礎心理学における他の分野との関係について代表例をあげて説明できる。 C 知覚関係の代表的な公式について微分方程式を解いて導出できる。
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■ 単位認定の要件 |
少なくとも、基礎心理学と応用心理学の立場の違いを簡単に説明でき、視覚や聴覚など、代表的な知覚のいくつかの仕組みについて例示して説明できること。
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■ 単位の認定方法及び割合 |
期末試験:60% 授業内提出物:20% 授業内活動:20%
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第1回 |
ガイダンス
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授業のねらいと概要、授業方法、評価の方法と基準などを聞き、履修計画を確かめる。
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第2回 |
知覚心理学とは何か
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いくかのトピックス(具体的な話題)を聞いて、心理学についての関心を深める。
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第3回 |
心理学における基礎と応用
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人の心と行動について理解しようとする基礎心理学とその応用について具体例を知る。
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第4回 |
感覚の仕組み(1)
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目と耳を通した情報収集すなわち視覚と聴覚について、その仕組みを知る。
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第5回 |
感覚の仕組み(2)
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味覚や嗅覚、そして皮膚感覚など視聴覚以外の感覚について概要を知る。
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第6回 |
感覚の一般的特性(1)
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順応や対比という感覚の一般特性について知る。
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第7回 |
感覚の一般的特性(2)
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個々に独立した感覚様相が互いに連携して働くことを理解する。
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第8回 |
形の知覚(1)
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錯視現象を通して単なる感覚情報ではなく知覚という現象を知る。
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第9回 |
形の知覚(2)
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形の知覚における輪郭や肌理の役割を知り、知覚の特性について考える。
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第10回 |
形の知覚(3)
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顔の知覚について学び、対人知覚の基礎的仕組みについて考える。
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第11回 |
色の知覚
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色の知覚の問題の難しさを知り、言語や社会と知覚の関係について考える。
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第12回 |
奥行きの知覚
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三次元空間の知覚について知り、知覚と行動の問題について考える。
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第13回 |
感性
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様々な感覚知覚が感情と関連している様子について考える。
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第14回 |
社会の知覚
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知覚に与える社会的影響や対人知覚について理解する。
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第15回 |
知覚の発達
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乳幼児期の知覚について知り、発達について理解する。
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第16回 |
期末テスト
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いくつかの基礎的概念について正しい知識と検証方法を獲得したことを確かめる。
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■ 時間外学修 |
授業計画と教科書の内容を照合して、各回の授業内容について2時間程度の予習をしておくこと。また授業後には授業内容を2時間程度の時間をかけて整理すること。
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■ 課題に対するフィードバック |
提出された課題等については授業内で講評を行なう。
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■ 使用テキスト・教材 |
「ポテンシャル知覚心理学」, 中村 浩, 戸澤純子, サイエンス社, 2017年, ISBN: 978-4-7819-1395-7
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■ 参考文献等 |
「知覚心理学」,北岡明佳,ミネルヴァ書房,2011年,ISBN: 978-05769-6 「感覚知覚心理学」,綾部早穂・熊田孝恒,サイエンス社,2014年,ISBN: 978-4-7819-1332-2
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■ 備考 |
授業では、心理学の基本的な研究方法である実験の簡単な実例を通して理解を深めることがある。授業内でアンサーチェックを行うので積極的に応答して欲しい。授業に参加するということを学意欲の表れとして評価する。
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■ 連絡先 |
東北文教大学 3号館 33研究室 jetta[at]g-tbunkyo.jp [at]を@に変更してください。
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