2019年度 シラバス
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人間科学部 子ども教育学科
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教育の方法と技術
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開講年次:3年次
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卒業:選択 小学校教:必修 幼稚園教:必修
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開講時期:前期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
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■ 科目のねらい |
教育現場において教育・保育を構想し、具体化し、実践するためには、教育内容を確実に学習者に理解を促すための戦略が必要となる。 この科目では教育の方法論にトピックを絞り、あらゆる教育者の場面において、戦略的にカリキュラムや各時における教育の戦略を提案し、それを「指導案」という形で具体化するための知識・技能を方法を学ぶ。
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■ 授業の概要 |
この授業では、まず具体的な「学習目標」の立て方について扱い、その後、学習者の状況を把握するための各種テスト、授業の組み立て方などについても扱う。 自身がこれまで受けてきた教育を振り返り、また情報手段の活用やアクティブ・ラーニングの視点など、現代的な教育の手法に関する理論を学ぶ中で、自らが学習者を意識した、指導案や部分案を提案できる実力をつける。
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■ 達成目標・到達目標 |
・前提条件と学習目標を明確に切り分け、それぞれの条件を明確に記述することができる。 ・学習内容の分析と、学習意欲を高める戦略に基づき、指導プランを提示することができる。 ・学習目標の種類に応じて、適切な評価方法を選択し、評価のための道具を作成することができる。 ・教育の情報化の現状を理解し、自らの言葉で幼児期における情報化に関する事項について述べることができる。
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■ 単位認定の要件 |
上記達成目標・到達目標に関連する指定された課題を、要件を満たした上で全て提出すること。
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■ 単位の認定方法及び割合 |
期末レポート:40% 授業内提出物:40% 授業内活動:20%
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第1回 |
ガイダンス教育と学習について
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講義の基本的な進め方について確認。 この授業で頻繁に出現する言葉である「教育」「学習」の定義について扱う。
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第2回 |
インストラクショナルデザイン
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インストラクショナルデザインという考え方を、「デザイン」という言葉の意味に触れながら理解し、教授デザインにおける「効率」追求の重要性について扱う。
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第3回 |
学習目標の明確化3つのテスト
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指導を行うに先だって学習者を分析する必要があること、また授業の責任範囲を決めるため、前提条件と学習目標を定めることと、3つのテストの意義を扱う。
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第4回 |
学力とは学習成果の5分類
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「学力」の定義を定めた上で、学習を領域別に定める。
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第5回 |
授業パッケージ作成(1)授業企画書
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科目を通じて進めていく「授業パッケージ」のおおもととなる「授業企画書」について。
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第6回 |
教材研究の方法
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学習成果の5分類ごとの、課題分析手法と、課題分析図について扱う。
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第7回 |
授業パッケージ作成(2)課題分析図の作成
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先に作成した「授業企画書」をもとに、「課題分析図」を作成してみる。
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第8回 |
指導案・日案作成のための作戦(1)
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ガニェの9教授事象をもとに、授業の導入〜展開〜まとめの流れについて、客観的に把握できるようにする。
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第9回 |
授業パッケージ作成(3)指導案・日案の作成
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学習指導案・日案と、教育方法の理論との対応について。
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第10回 |
評価について
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そもそも、なぜ評価をし、評価をされないといけないのか。その意義と簡単な評価方法、さらに学習成果の5分類ごとに望ましい、適切な評価方法を扱う。
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第11回 |
アクティブ・ラーニング
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アクティブ・ラーニングの基本的な考え方、アクティブ・ラーニングに基づく授業改善の考え方について 扱う。
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第12回 |
教育の情報化
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情報化社会に関する基本的な用語や、教育の情報化についての現状を踏まえた上で、メディア活用の可能性について扱う。
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第13回 |
ミニ授業・ミニ活動(1)
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グループメンバー同士でミニ授業(ミニ活動)を行い、計画に沿って教える活動を行う。
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第14回 |
ミニ授業・ミニ活動(2)
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グループメンバー同士でミニ授業(ミニ活動)を行い、計画に沿って教える活動を行う。
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第15回 |
ミニ授業・ミニ活動を振り返る
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ミニ授業・ミニ活動を振り返る際のポイントを押さえ、計画をより良いものにするための改善策を練る方法を扱う。
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■ 時間外学修 |
授業とノートを振り返り、気づいた点をノートにまとめておく。(各回1時間程度) ミニ授業に向けた各課題の提出物作成(約5回、各5時間程度) 期末課題の提出物作成(10時間程度) 教育の情報化に関するレポートの作成(10時間程度)
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■ 課題に対するフィードバック |
レポート等の課題については、提出された内容について全体的な理解度の状況、ならびに陥りやすいミス等について補足を行う予定である。
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■ 使用テキスト・教材 |
稲垣忠・鈴木克明 著『授業設計マニュアルVer.2 教師のためのインストラクショナルデザイン』(北大路書房)
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■ 参考文献等 |
向後千春 著『いちばんやさしい教える技術』(永岡書店)鎌原雅彦・竹綱誠一郎 著『やさしい教育心理学』(有斐閣 アロマ)
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■ 備考 |
ほぼ毎回、授業の感想を求める。自身が持つ教育者への志の多少に関わらず、これまでの学習者としての経験から、授業で学んだ視点とともに素直に述べて欲しい。
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■ 連絡先 |
makabe(at)g-tbunkyo.jp
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