4 食っちゃ寝の男

 あるところに、たいそうなまけ男がいて、それは稼ぐは嫌いで、寝ててかまわず食って後には、自分は食(か)せてもらって食いたいくらいな男だったど。そうすっじど、その男はそがえにして食ってもい らんねんだし、後には干(ひ)死んだど。
「お前はあまりなまけて来たから、猫に生れ返してやる」
 と、エンマ王が言うたど。そしたば、
「そいつもええげんども、一つ聞いて呉(く)ろ、真黒な猫に、口ぱしと鼻ぱし白くして、猫に返してやって呉(く)ろ」
 と。
「なんのわけで、そうだ」
「寝ころんで、かまわずいるじど、団子だと思って、たしかネズミが、これはうまいと思ったら、すぐつかまえて食うから…」
 と。エンマ王もあきれたど。

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