21 「とにかく」の由来

 むかしむかし、兎みたい、あだえ可愛いい顔してて、足も速いし、武器があったら、いまとええでないか。武器ていえば、あれさ角つけてみたらどうだべ、こういうことになった。
「はいつぁ、ええ考えだ」
 ていうわけで、兎さ角つけることにしたんだど。ちょっとの戦いには負けない、青シシ、熊、猿なて、ちょっとの外敵ぐらいは大丈夫だ。ほして角つけてみたれば、さぁ、こんど薮から漕ぐに、漕がんね。川渡んべと思ったら、沈む。頭重たくて沈んでしまう。何ともかんとも仕様ない。足はのろくなる。何ともかんとも仕様ない。
 やっぱり兎さ角つけるていうのは、わからねていうので、「兎に角」ていうのは、それから始まったんだど。どんぴんからりん、すっからりん。
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