42 恐っかなくておかしくてあわれな話

 むかしあったけど。
 向いの山から、口耳まで割っで、角出て、こんな顔した鬼ぁ来たど。おっかな がんべ。
「うん、おっかない」
 その鬼ぁ片方の足上げだど思ったらば、大きな屁ブゥーッとたっじゃずも。お かしがんべ。
「うん、おかしい」
あんまり大きい屁たっじゃれば尻ぶっさけで死んだけど。あわれだべ。どろび ん。
(宮下 昇)
>>米沢市簗沢の昔話 目次へ