41 果てなし話

 山さ、みんなで遊びに行ったら穴があった。何穴だろうて突っついたら、蛇が 出てきた。逃げた。ノロノロと追っかけたり、追っかけた。早く早くていうんで、 逃げてきて、家さ入って、「なんだごんだ」ておっかさん言うた。「蛇おっかけた から早く早く」「ほんじゃ、早く寄れ」て、ばちんと戸閉(た)てた 。ほうしたら蛇そこ の家さ行ったげんど、入らんねから隣の家さ行った。隣の家でも戸ばちんと閉(た)てて はぁ、中から錠かけたから、その隣さ行った。そして…。
 そんで仕様ないもんだから、隣の部落さ行って、そしてその蛇ぁ、今日もノロ ノロ、明日もノロノロ…。
(宮下 昇)
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