10 まま子いじめ

 むかしむかし、かぁさんが逝くなって、あとめかぁちゃん貰いやったんだど。
そしてそこに女の子ぁいて、その女の子、何とかして殺すとかすんべと思って、 自分の子かわいいもんだから、学校から帰って来っど、
「今日はヘラで萩切って来い」
「また、今日もヘラで萩、なじょして、切ったらええがんべ」
 と思って、その娘いた。そして行くと、じんつぁがいて、鎌貸してくれた。そ して切って来るもんだから、また次の日も……。
 毎日言われるもんだから、そのじんつぁに切ってもらってはぁ、背負って来、 して来るもんだから、不思議だと思って、かぁちゃんが今度、
「ザルで水汲んで来い」
「ザルで水汲みなて大変だ。何として汲んだらええがんべ」
 と思って、その娘考えていたときに、またそのじんつぁ出てきて、
「ほんじゃ、このバケツで汲め」
 て、そして汲んでもらってきたど。そしたば釜の上に萩の棒置いて、その上を 渡れて言わっだど。
   ヘラで萩切れどさ
   笊で水汲めどさ
   萩の橋渡れどさ
 て、その娘、毎日その唄うたって過ぎたど。
(関場)
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