33 お彼岸

 お彼岸にいそがしいもんだから、稲一把、佛さまさ上げて、そうして稲刈りに 行ったごんだど。そうしたらば、お佛さま怒ってよ、夢枕に立って、
「なんぼいそがしいったて、御飯食ねで働かんねべに、稲一把上げらっじゃたて そいつ食れっか」
 て、怒って、「子ども、火さくべてくれっから」てだど。そうしてあるとき、お ぼこが本当に、ユルリで火傷して死んでいだんだけど。んだから、やっぱりお佛 さまも決してお粗末にさんねもんだぞ。
(伊藤せう)
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