32 雪女房 

 木小屋に一人いた男どこさ、ある時え え女ぁ来て、
「働かせて呉 (く) ろ」
 と。そして一生懸命で寒くなればなる ほど、働く女だったって。
 そのうちに子どもも出来たど。そして 二人で一生懸命で働いて、子どもをおが して、裕福にもなったところが、ある夕 方、吹きぁ吹いて出きもさんね時、その オカタは出はって行って、そうして帰っ ざぁないど。
 そうしたところぁ、なんぼ探 (た) ねても女 はいなくなったど。
 そしたら、女は雪の精で、「雪女房」だっ たど。
海老名ちゃう
>>牛方と山姥 目次へ