31 南瓜と栃の実

 畑さ南瓜植えて、かまわず南瓜の蔓 太 (ふ) っとくして、いっぱい実 (な) らせで、
「蔓さ一つ一つ南瓜なる。これはこがえ に細い蔓さ南瓜なるなんていうものは、 どんなもんだ」
 と思って、ある日、栃の木の下さ行っ て、雀止っていたところぁ、上見っだば、
「こんな細い蔓さ、あがえに大きな南瓜 なる。こがえに太い木の、大きなさ、こ がえな小っちゃな実なるなんて、こりゃ、 神様は逆に教えておくやった。」
 なんて、昼眠しったところぁ、ポイン と栃の実に落ちて来らっで、鼻の先に小 さいもの当って、痛いと言ったところぁ、 鼻さ傷ぁついたど。
「いや、小さいたても、力ぁあるもんだ、 神さまはそういう風に間違ったことはし ないもんだ」
 と思ったど。
海老名ちゃう
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