(3)佐兵の首をはさむ

 また、佐兵は冬になっど、藁仕事して、やんやんと居っどこさ、ちぇっと顔出すがったど。そうすっど、
「佐兵来たらば、首はさんで呉れんべ」
 て、みな、戸の陰さ隠っで…。
 カラーッ、「何しった。今日は何としった、若衆」
 て、首出した。そんで、首はさめて呉れんべどて、戸をぐいっとすっど、戸は、ぱっと一尺ぐらいで止まんのだど。
 そいつは、ちゃんと、板っ端(ぱじ)持(たが)って来て、敷居さ置いて、上がっているから、首はさまんねんだど。そして、「えへへぇ」て笑って行くのだど。そして、とうし(ずっと)その藁仕事さ来て、いたずら語りして行くのだど。
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