12 雪女

            上見れば虫コ
            中見れば綿コ
            下見れば雪コ
 まだやもめ暮ししてる女が、ある男さ、
「何とか、あれどこ、かかにしてくれねぇが」
 て、来たそうですな。
 したら、その女がまたええ女で、むかしのふわふわした藁ぼっちかぶって、ええ嫁さんさなて来たわけです。その嫁さんが、子ども持ったそうですな。そして一生懸命機織って、春になってから、あるとき、機織りかけて、いなぐなったそうです。
 夫は何も知らねで、
「機織りかけて、なぜ帰った」
 て、悲しんだそうですな。
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