34 南の山の馬鹿聟

 南の山の馬鹿聟、おっかの方の御祝儀さ招(よ)ばっで行ったど。ほんで、
「おれ、礼釈すっから、そん時、おれ、じろっとにらめっから、そん時、歌うたわんなねぞ」
 て、教えたど。
 ほして、行って礼釈したべちゃ。そしたら聟は礼釈もすねで、ちょこえんとしったべちゃ。ほで、じろっとにらめだべちゃえ、おっかさ。
 そしたら、そこの入り口で〈松坂〉うたったてよ。御祝儀ざぁ、松坂うたうんだべてな。
岡田さん
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