32 和尚と小僧

 小僧、ねぶたと思って、和尚、餅あぶり始めたとこだべ。そうすっど小僧ねぶたふりして、
「毎晩げ、おらだねぶてから、和尚さん、餅あぶって食うから、ほんじゃ、ねぶたふりして、見てんべ」
 て、見っだど。
 やっぱり小僧ねぶた頃だとて、餅あぶり始めたど。和尚がプウプウと灰を吹いでっどこさ、〈プウプウ、エーカン〉て、二人小僧起きてきたずも。プウプウ、エーカンて、小僧の名前だったど。
「プウプウ、エーカン」
 ていうもんだから、「ハーイ」て小僧来て、和尚、ええあんばいに焙った餅、食わっだど。
岡田さん
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