16 化けもの話

 むかしあったけど。
 毎晩げ、おらえのあたりのような鎮守さまで、踊りみたいな音すっずも。で、それからこんど、何騒やかにしてるもんだべと思って、そうっと行ってみたど。そうしたら、さまざまな者、集(あつ)ばって踊ってたどこであったど。
   デッツクバッカ スッカッカ
    ニャオニャオにコンコンコン
   このことかまえて 鎌倉の
    カンマン太郎に聞かせんな、ハァ
   デッツクバッカ スッカッカ
    ニャオニャオにコンコンコン
   このことかまえて 鎌倉の
     カンマン太郎に聞かせんな
 繰返し、くりかえし、毎晩げ踊っこんだど。それから、そのカンマン太郎じゃ何のごんだべと思って調べてみたれば、鎌倉になんぼか大きな犬いたなであったど。それに聞かせられれば、おれたち、来て集(あつ)ばって踊ることもでないから、その、聞かせたくない。それを文句にして獣たち呼び合って楽しんでいたのであったけど。むかしとーびん。
 
〈話者 川崎みさを〉
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