7 命の親玉―江戸見世物小屋―

 「東西東西、世にもまれなる命の親玉、お金はなくとも生きては行ける。これがなければ、生きては行けぬ。見てお帰り、孫子のために……」
 幕張った中に何かがあるわけだが、ある田舎者が五、六人、入って見だら、どうだべ、赤いお膳にゴマヤキメシ、黒いお膳にはキナゴヤキメシがあっけど。見物人はえづを見で、「やっぱりなぁ」
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