3 猫とネズミ

 むかしあったけど。
 お釈迦さまが大病になって、今にも死にそうになったど。そこで天竺さ薬とりに行かんなねことになったど。それで、「ネズミがええがんべ」て、そう言わっでネズミが使いに立ったど。そして一生けんめいで行ってきて、その袋くわえて帰って来たごんだど。そしていまちいとでお釈迦さまの傍さ帰られっどき、猫、どっからか跳んできて、そのネズミ食ってしまったど。それでお釈迦さまのあれに間に合わなくて、お釈迦さま逝くなられたで、猫は十二支さ、そのためにはまられなかったど。
(川アみさを)
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