38 かます煙草入れ

 むかしむかし、ケチで煙草の大好きなじじがいだったけど。
 そのじじはあんまり煙草吸うもんで、吸うなやめっぺど思って、煙草買う銭を買ったつもりで毎日毎日、かます煙草入れさ入っちぇ貯めていだったけど。
 それからずっと経(た)ってから、煙草入れさ銭、しこだま(たくさん)たまって来たど。ある晩、そこの家は大火事になって全部焼けてしまったど。じじは、銭も家も燃えてなくなってしまったもんで困ってしまったど。そこでじじは考えてみたど。
「煙草じゃ煙になるもんだから、煙草入れさ銭入れっと、燃えてしまうなだ」
 それから、このじじは会う人に、
「煙草入れさは、銭入れどくもんでねぇぞ」て教えて歩いたもんだど。
話者 安部富吉 (米沢市木和田)
採集 安部富美子
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