17 地蔵浄土

 むかし、じじとばばがいたっけど。じじは山さ柴刈りに行っていた。ばばはじじの弁当に団子をもって来たど。そうしたら一つだけ転がっていたど。ばばは団子どの、団子どのと言って追っかけて行ったど。そして穴さ入って行って、お地蔵さんの前で止まったど。あんまりうまそうなので、食べてしまった後で、ばばがきて、あらあら、じじさ食せっかと思って作った団子だったんだと言った。お礼返しすっから、今晩おれのうしろさ隠れていろ、山賊がここに来てバクチをする。三時(とき)になると帰っから、頃合いを見て、ばば、鶏の真似しろ。そう言った。
 ばばは地蔵さんに言われたとおりに、コケコッコーと一回鳴いた。山賊たちは
「今日はなんだか早く鳴くなぁ」と言っていた。
 こんどは二回、コケコッコーコケコッコーと鳴いた。そして三回、コケコッコー、コケコッコー、コケコッコーと鳴いたのを聞いて、明るくなって人に見つかっかと悪いから早く逃げて行った。宝を置いて行ったので、ばばはそれをもらって来て、裕福に暮らしたど。
話者 色摩清見(米沢市塩見)
採集 清水節子
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