7 小太きつね

 小太郎飴屋、毎日、小白川、手の子(飯豊町)さ飴売りに行ってだったど。山越えっ時、「お稲荷さま、飴一つ呉(け)んぞ」と言って、毎日山さ放り投げて行っていたもんだったど。
 ある晩げ、帰って来たら、立派な祝言の座敷さ招ばっちぇ、
「こっちさ来てごえ(来て下さい)」て、言っちぇ、酒付きで一杯御馳走になって、お土産までもらって来たなだど。帰って来て見っど、立派な苞(つと)コは本物だったそうだ。
話者 島貫(川西町下小松)
採集 山田富士子
>>置賜のむかし 目次へ