12 てんつ話

(2)
 まいど(ずっと前)、勘五郎つう人いだったど。夏、あんまり暑いもんだから、泥渕みてえな川さ行って、素っ裸になった。大っきいキンタマ出して洗っていたど。
 そこさカラスぁ飛んできて、そいつ見つけたなだど。かっ首まげて、
「何洗ってんだべ」
 と思って考えっけんども判んね。そんで、
「勘五郎、勘五郎」
 て呼ばったど。「なんだ?」て、勘五郎ぁ聞くと、「子が?」と聞くのだど。そうすっど勘五郎ぁ、
「子でなどない!!カエッポだ!!」
 て怒鳴ったら、烏ぁ、
「アホー、アホー」
 て笑ってとんで行ったけど。こんじぇ、どーびん。
(曾祖母)
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