19 宝生の珠 

 むがしあったけど。
 むがしなぁ、新庄(しんじょ)さ行(え)ぐ途中の塩野(しようの)ていうどさ、勘平ていうとでも利口だ狐ぁいでぁったど。
 ほうして、ほの勘平狐ぁ、綺麗(きれ)だ娘(あね)こんなたり、熊んなて化げだりして、通る人(しと)んどご騙したり、威したりして、新庄がら買物(まぢだぢ)してきた塩引(しっしょひぎ)どが、油揚げだどが、美味(んめあ)い物(おの)盗て食てんなだけど。んだおんださげぁぇ、おかねくて誰も塩野通る人(しと)ぁいなぐなたけどは。ほんで村々の人(し)達(たぢ)ぁ困ていたけど。
 新庄の殿さまほれ聞で、ほの狐退治してくえるて、家来達連(つ)で行(え)たど。ほうして大勢の人達ぁいだそだどご随分(ぜーぶん)さがしたども、とうどう見つけかねでしまたけどは。ほうすっど勘平狐ぁ、まだ出はてきて、人騙していだけど。
 新庄の円満寺ていうお寺の白(はぐ)念(ねん)ていう小僧(こんぞ)こぁ、ほの話聞で、皆ほんげぁぇ困てんなだば、なんとがならねおんだがど思(も)ていだけど。
 ほうして、ほの狐ぁ宝生の珠ずおの持てっさげぁぇ、人騙すな上手(じょん)だぁだていう話聞たど。ほんで白念ぁ、勘平狐ぁどから、なんとがして、ほの宝生の珠取らねぁんねど思たけど。ほうしてある時(づぎ)、和尚さんさ、
「和尚さん。どうか一日だけ暇くっでけらっしぇ」
 て願たど。ほしたば和尚さん、
「暇なのとて何するおんだ」
 て聞ぐけど。ほんで白念ぁ、
「塩野の勘平狐ぁどご騙して、宝生の珠取てくんべど思(も)てだ」
 て言(ゆ)たど。ほしたば和尚さん、
「今(えま)まで何十人も人騙した程利口(りご)だ狐だおん、お前(めあえ)なの行(え)たてなんずも出来るおんでねぁ、返(けあえ)て騙さえるばんだんだはげぁぇ、やめろやめろ」
 つけど。ほんでも白念ぁ、
「いやいや、和尚さん。ものは試しというごどもあっさげぁぇ、どうがやらへでころ。ほれさ、人助けにもなんなだはげぁぇ、一日だげ、どうが暇呉てけらっしぇ」
 て頼んだど。ほんで和尚さん、
「狐に騙さえるばりしねぁんだぞ」
 て、暇くっだけど。ほんで白念ぁ、新庄の町で揚げだでの油揚げ十枚(めえ)ばり買て、ほれぶら下げで塩野さ行(え)たど。ほうして、酒ん酔たふりして、あっちゃよろばり、こっちゃよろばり、ふららふららど鼻唄がげでえたど。
 ほうしたば、向うからめんごげだ娘(あね)こぁ来たけど。ほうして、
「白念さん、白念さん。どごまで行ぎぁすや」
 ていうけど。ほんで白念ぁ、
「白念白念て、気易ぐいうな勘平」
 て、ずばり勘平の名前(なめあえ)言たど。ほしたば、
「あら嫌(や)だごど。おらぁ勘平でなのござへん。おらぁおもよです」
 つけど。ほうすっど白念ぁ、
「なえだどや勘平。ほんげぁぇ嘘(ずほ)こえだて、おれぁつぁだはだめだ。ほれこそ食いでぁぇあだべ」
 て、油揚、勘平ぁ鼻の先さ突出(つだ)してやたど。ほしたば勘平ぁ後(うすろ)すこみして、
「なえーだて嫌(や)だごど、おら勘平なのんねぁ、おもよだじゅ」
 ていうけど。ほんでも白念ぁ、
「ほんた嘘(ずほ)こえだて駄目だ。ほれほれ。これ食いでぁぇくて、鼻ひくひくさへで尾(おっぱ)まで出して、まず、後見んだ」
 て言(ゆ)たば、勘平ぁとうどう、かぶど脱えで、
「なんだて、白念さんにぁかなわねぁ、負(まげ)だ負だ」
 つけど。ほんで白念ぁ、
「勘平。ほんた人(しと)に見破れるよだ、下手だ芝居(しんべあえ)なのすねんだ。おれぁどご見んだ。おれぁこの衣着てるおんだはげぁぇ、どごさ行(え)たて酒だべぁ、油揚だべぁ、自分(おわ)欲(お)しおの只で手さ入(へあ)んなだ。ええおんだべ。ああ酔た酔た」
 て、酔たふりして、ふらっで見(め)へだど。ほしたば勘平ぁ羨しぐなて、ほの衣欲(お)しぐなたぁだけど。ほんで、
「白念さんや、ほの衣ずぁ、ほんげぁぇえおのが」
 て聞ぐけど。ほんで白念ぁ、
「こげぁぇええおのぁ、めったんねぁおんだ。どごさ行たて、只でんめぁぇおの食うえさげなぁ」
 て言(ゆ)たば、勘平ぁ、ほの衣欲(お)しぐなて欲(お)しぐなては、
「ほんげぁぇええ物(おの)だごったら、おれぁどさも貸してみでくんねぁが」
 ていうけど。白念ぁ、
「ああ、貸してもえ。貸してもええども、世の中に二(したっ)つどねぁ宝物(おん)だはげぁぇ、只でぁ貸さんねぁ。何がよっぽど良(え)え物(おの)持てこねぁば、とでも貸さんねぁな」
 て言(ゆ)たば、勘平ぁ、なんとしてもほの衣欲(お)しぐなて、
「んだが、んでぁ、おれぁ命ゆが大切(であえじ)だ宝生の珠持てくる。ほの宝物ど取替ぇんべ」
 ていうけど。ほんで白念ぁ、惜(いだま)しよだ顔(つら)して、
「なんぼええ宝物だが知らねぁども、この衣せぁぇもあれば、只飲み食いぁ出来(でげ)んなだはげぁぇなあ」
 て、さもさも惜(いたま)しそん言(ゆ)たずおん。ほうしたば勘平ぁ、なんたて欲(お)しぐなて、
「どうが、白念さん、どうがほれ貸して下せぁぇ、頼みあす」
 て、きかねぁけど。ほんで白念ぁ、さも仕方ねぁよん、
「なんぼええ宝物(たがらおん)だがしらねぁども、お前(めあえ)、ほんげぁぇいうなだば、仕方ねぁ取り替(げあ)えねぁんねぁべな。んでぁほれ持て来(こ)えや」
 て言(ゆ)たば、勘平ぁ喜で、ほこほこて穴さ入(へあ)て行(え)て、ほの宝生の珠持てきたけど。ほうして、白念の衣ど取り替(げあ)えだけど。
 ほんで白念ぁ喜(よろご)で、早速お寺さ帰(けあ)えて行(え)て、
「和尚さん、和尚さん、まず、見でころ。勘平狐ぁどがら、これぁ、宝生の珠取てきた」
 て、見(め)へだけど。ほしたば和尚さん、
「あらら、えぐまず取てきたおんだ」
 て、たまげだけど。ほうして、ほれ狐に取りげぁぇさえっどえぐねぁ、ていうなで、お寺の蔵さしまておえだどは。
 勘平狐ぁ、これぁええ物(おの)もらたずおんで、早速ほの衣着て、新庄さ行(え)たど。ほうして、先ず油揚げ食いでぁぇおんだど思(も)て、油揚さ手かげだら、店(めへ)の人(しと)に見つけらっで、
「あらあらっ、狐ぁ衣なの着て、油揚取っどごだじゅは、この畜生あ」
 ていうど、棒でただぎづげらっで、ようよう逃(ね)げて来たけど。
 ほうして、豆腐屋でぁんまぐいがねぁがったども、魚屋だばんまぐえぐんねべがど思(も)て、今度(こんだ)ぁ魚屋さ入(へあ)て行(え)て、店さ出しった塩引(しっしょびぎ)の大っきなかぶづで、ほれ引張(ひぱ)るかんじょしたば、まだ見つけらっで、
「衣着た狐ぁ塩引、引張てえぐどごだ、この畜生ぁ、ただぎづげでくえっが」
 ていうど、いぎなり天秤棒で、ありったげしぱだぎづけらっで、跛ひぎひぎ漸く逃(ね)げできたけど。ほうして、あちこちでただがっで、何にも盗りかねぁで、穴さ来て、体中痛でぁおんだはげぁぇ、うー、うーてうなて寝っだけどは。
 ほうして寝でで、白念に騙さっだぁだてさどたけど。ほんで寝ながら、あの宝生の珠、白念から、なんとがして取(と)り返(けあ)ぇさねぁんねぁどもて考(かんげ)ぁぇっだけずおん。ほうして、白念の母親んなて行(え)くな一(いづ)番えど思(も)ていだけど。
 暫ぐして、勘平狐ぁ体の痛でぁぇな治っど、早速母親んなて、円満寺さ行(え)たけど。
「はえっと。白念ぁいだべが」
 て言(ゆ)たば、白念ぁ出はてきて、
「あら、お母さ(かがっつあ)んんねぁがや。ないしん来たな。まず入(へあ)れ」
 て、勘平狐ぁどご入(へあ)らへだど。ほしたば勘平ぁ、
「お前(めあえ)、塩野の勘平狐ぁどがら、宝生の珠ずおの取てきたったんねぁがや。お母さ(かがっつあ)ん、ほれぁなんたおんだが見でぁぇくて来たあだ」
 つけど。ほんで白念ぁ、
「あれぁ大事(であえじ)だおんで、和尚さんにしまてもらってだぁだはげあぇ、見(め)へらんねぁなだ」
 て言(ゆ)たば、母親んなた勘平ぁ、
「なあ、白念や。おらぁ一生の思い出ん、宝生の珠じゅおの、なんとがしてなんたおんだが、一度(いづど)見でおぎでぁぇおんだど思(も)て、来てみだなよ。他の人(しと)んねぁおん、お前(めあえ)えのかがつぁだおん。ちょこっとでええはげぁぇ、見(め)へでくっちゃや」
 て言(ゆ)たおんだはげぁぇ、白念ぁ嫌(や)んだて言(ゆ)いかねで、蔵がら出してきて、離っだ所(ど)から、手さ持(たが)て、見(め)へだど。ほうしたば、勘平ぁ、
「おれも年寄(と)てしまて、目(まなぐ)あえぐねぐなては、ほんげぁぇ離っだ所(ど)からだば見ねぁなよ。折角(へっかぐ)見へでくえんなだば、もと近ぐさ置えで見へでころや」
 つけど。白念ぁ、自分(おわ)えの母親だおんだし、しかだねぁど思(も)て、母親の目の前さ置えで見へだど。ほうしたば勘平ぁ、
「これぁ、おれぁ珠だっ」
 ていうど、いぎなりほの珠くわぁぇで、一跳(しとつとび)とんで走して行(え)てしまたけどは。白念ぁ、足踏みして口惜しがたて駄目だずんだ。ほんで白念ぁ、なんとがして、勘平狐ぁどがら、あの珠とっ返(けあ)えさねぁんねぁど思(も)て考(かんげ)ぁぇだど。
 ほうして、まだ、和尚さんがら一日暇もらて、今度ぁ、神主さんどさ行て、烏(え)帽子と白え着物借りで、紺の袴へぁぇで、塩野の勘平狐ぁ穴んどさ行(え)て、
「勘平出でこえ、勘平出でこえ」
 て、大っき声で叫(さ)がだど。ほしたば、「はえ」て、勘平ぁ出はてきたけど。ほんで白念ぁ、
「これ、勘平、おれは仙台の竹駒稲荷なるぞ。お前は白念とがいう小僧に騙され、宝生の珠をとられだということだが、それは本当(ほんと)のごどが」
 て言(ゆ)たば、勘平ぁ恐(おか)ねぁくて、ありったげ小(ち)っちゃこぐなて、頭下げで、小(ち)っちゃえ声で、
「はえ、そうです。んでも取り返(げあ)えしてきあした」
 つけど。ほんで白念ぁ、
「そうが、それが本当どあれば致し方ない。そんな小僧に騙されるような者に大事な宝生の珠を預けておぐわげにはいがない。お前の性根の治るあいだ、七日(なのが)のあいだ、おれが預がっておぐ。七日たったら心を入れ替えで取りに来い。もし嫌だなんていうなら、これがらは、一切お前の食う物が手に入らないようにしてやる。それでもええが。だがら早く珠を持って来て、おれに渡せ」
 て言(ゆ)わっで勘平ぁ、弱(がお)て、仕方ねぁぐ穴さごそごそと入(へあ)てえて、宝生の珠持てきて、白念どさ渡してしまたけどは。
 白念ぁ、今度ごそ取っ返(けあ)えさんねぁよんしねぁんねぁど思(も)て、ほの珠、和尚さんに蔵さ入っでもらて、錠かげでおえだど。
 勘平狐ぁがっかりしてしまて、早ぐ七日ただねぁがど思(も)て、七日くんなばぁり待(まぢ)っだけど。ほのうづん七日も過ぎだずおん。ほうすっど勘平ぁ早速穴がら出はてきて、仙台(へんであえ)さ走して行(え)たど。ほうして、
「塩野の勘平です。この間(えあだ)、預がてもらた宝生の珠、心入れ替(けあえ)で七日過ぎあしたはげぁぇ、もらいん来あした」
 て言(ゆ)たど。ほしたば、竹駒のお稲荷さんが、
「なにっ。宝生の珠をおれが預がたて」
 つけど。ほんで勘平ぁ、
「七日前(めあえ)に塩野さ来て、持てきぁしたべ。」
 て言(ゆ)たべ。ほうすっどお稲荷さん、ごしぇで、
「なに馬鹿だごどいう。おれぁ何時塩野さな行(え)たて、お前という奴(やづ)は、どごまで馬鹿な奴だ。こらっ勘平、お前は一度ならず二度もそんな小僧に騙されるなて、なんというごどだ。狐が人を化がすのなら分る。それをなんだ、あんな小僧に二度も騙されるなんて、全くけしからん奴だ」
 て、勘平ぁさんざん怒(ごしゃ)がっでしまたけどは。ほんで勘平ぁ、すごすごと帰(けあ)ぇるかんじょしたば、お稲荷さんが、
「勘平、一寸(しっとえあ)待で。ただ帰ぇて行(え)たてろぐだ考げぁぇ出ねぁべぁ、おれぁええごど教へでやる。ええが、今度ぁ、新庄の殿さまんなて、行列つくて行(え)げ。殿さまだば、偉(えれあ)はげぁぇ宝生の珠見へろて言(ゆ)えば、和尚だて嫌(や)だて言(ゆ)えねぁ。ほれさ油揚汁(ずる)どが精進料理出して待遇すんべさげぁぇ、殿さまんなて行げ」
 て教へでよごしたけど。
 ほんで勘平ぁ喜(よろご)で帰(けあ)ぇて来たけど。ほして帰ぇてくっど直ぐ塩野あだりの、山どが沢にいだ狐達(だ)ぁどご集べで、行列つくて、円満寺さ行(え)ぐ相談したど。ほんで皆、ごっつぉ食えずおんで、喜で行ぐごどんしたけど。
 ほしたば、ほの中に一匹、跛だないだけど。ほんで勘平ぁ、皆どさ、
「新庄の殿さまの家来ん中に、跛だないだべがや」
 て聞いだど。ほしたば、
「いねぁな」
 ていうけずおん。ほんで勘平ぁ、
「跛だ家来ぁいねごったら、跛どご連(つ)で行(え)て、和尚に分らえっどえぐねぁはげぁぇ、この度ぁ跛に抜げでもらわねぁんねぁんだなぁ」
 て、跛狐ぁどご連(つ)て行(え)がねぁごどんしたけどは。ほうして、明日行ぐごどんしたけど。  ほんで跛狐ぁ、折角行列さ交(まざ)て行(え)て、んめぁぇおの食うえど思(も)て喜でいだな、連(つ)で行(え)がんねぁて言(ゆ)わっだおんだはげぁぇ、面(おも)白(へ)ぐねぁくて、ごしゃげでごしゃげで、
「ようし、野郎達(だ)、明日見でけづがれ」
 て、ぷんぷんごへぁで、ほこがら帰(けあ)ぇっど、すぐほの足で、円満寺さ行て、和尚さんどさ、
「和尚さん、和尚さん。明日勘平狐ぁだ十匹ばり、新庄の殿さまん化げで、宝生の珠とりんくっさげぁぇ、犬こえっぺぁ集べできて、ほれ室さ入(へ)でやて食(く)っ殺さへろ」
 て教へだずおん。
 ほんで和尚さん、ほれぁ大変だていうなで、次の日早ぐ、檀家がら犬こ十二、三匹集べできて、裏さかぐしったど。
 勘平狐ぁ、皆どさ蕗の葉かぶへで、ほれ陣笠んして、萱腰さ、ささへで刀んして、皆さむれぁん化げらへだけど。ほうして、駕篭まん中んして、供そろえで、円満寺の方さ出がげだけど。ほうして、
「下におろう、下におろう」
 て叫がびながら、お寺さ入(へあ)て行たけど。
 ほんで和尚さん、殿さまどごさ出はて行(え)て、
「なにご用でござりあしたなですべ」
 て聞だば、家来ぁ、
「このたび殿さまぁ、こごのお寺の白念という小僧が、塩野の勘平狐がら宝生の珠どがいうものを騙しとったという話を聞だので、ぜひそれを拝見したいと仰せられるので、まがり越した次第である。じゃによって、ぜひその珠を見せでもらいだい」
 ていうけど。ほんで、和尚さん、「宝生の珠どきたな、これぁやっぱり勘平狐が化げで来たのに相違ねぁ」ど思(も)たども、知らねぁふりして、
「はえはえ、宝生の珠は蔵さしまてあすはげぁぇ、今出してきあす。ほれさ殿さま折角(へっかぐ)お出でになてくっだぁですさげぁぇ、酒肴も用意さへあすさげぁぇ、少々お待ぢになって下せぁぇ」
 て、引込できて、狐だ入(へあ)った室の戸ていう戸さ、みな心(つっ)張(ぱり)かて、裏がら犬こぁだどご連(つ)できて、穴こがらほの室さ入(へ)でやて、穴こくえでしまたけどは。
 ほうしたば、中で犬こぁ、わんわんていうべし、狐こだ、きゃんきゃんていうんだが、室の中ぁがだんがだんて、すさまず音ぁすっけど。ほうして、暫ぐしたば、音ぁすねぁぐなてしまたけどは。ほんで和尚さん開げでみだば、狐こぁだ、みな犬こに食(く)っ殺さっでしまていだけどは。ほれがら、ほの宝生の珠ぁ、円満寺の宝物(おの)んなたぁだど。とんぴん からんこぁ ねぁっけどは。
(集成二八四、二九七「隠れ頭巾」「坊様と狐」)話者 高橋良雄  
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