54 鮭の介、今ここ通る

 十月二十一日、大きなマナイタと包丁と背負って川登ってくるんだど。ほだは
げ、夜は早く眠らんなねもんだど。
「鮭の介、今ここ通るぞぉ」
 て、登ってくるもんだ。その声聞くど、聞いた人は死んでしまうんだど。んだ
はげ、その声聞かねように早くねろて言うたもんだ。
(砂子関・工藤かなえ)
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