48 砂子関の狐

 砂子関さ行った大工さんが、酒御馳走なってきたんだど。ほしたら大工道具を
道傍さおいで、ほこのかげの沢をコチャリ、コチャリと漕いでさわいでいるんだ
ど。ほこさ砂子関から学校さ来ている先生いだんだけ、ほの人、
「何(なえ)だ、何しった、ほだんどこで」
 ていうたら、何だか訳わかんねくて、薮の中の深いどこ、谷間深いどこ、ムシャ
ムシャ歩くんだど。狐から化かさっだべど。
(月山沢・遠藤つるよ)
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