5 かおすと狐

 狐がかおすのどこに行って、御馳走になっだど。ほんで狐も、
「ほんでは、こんどおれが御馳走すっから」
 ていうたげんども、魚の穫りよう知しゃねもんだから、かおすに聞いだど。ほ
したら、
「尻尾(おっぽ)、寒い晩に、川さ漬けておくとええ」
 て、教えらっだど。したれば魚とんねで、尻尾(おっぽ)、しみではぁ、つんと力出した
げんど、動がねぐなったど。
(月山沢・遠藤あさえ)
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