(6)煮たった湯

 左平が、
「がらがらと煮たった湯、呑みよう知ってる」
 と言うので、
「なじょして呑むのだ」
「こげなもの、何でもない。呑まれるもんだ」
「んじゃ、教えろ。その呑む秘伝教えろ」
「じゃ、貴様、酒一升買え、教えっから」
 相手は手品使いにでもなれるもんだと思って、酒一升買って左平さ呑ませたと。
「さあ、なじょして呑むこんだ」
「なあに、喉など焼けたば焼けるほど、かまわず呑まんなねごで」
 と、ただ酒一升呑まっでしまったど。
(上野 高橋照太郎)
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