95 果てなし話(1)・(2)

(1)
 川端さ、栃の木あった。そしてこんど、川さポタンと落ちてはクリクリっと廻っては流れ、またポタンと落ちてはクリクリっと廻っては流れ、毎日、ポタンと落ちてはクリクリって廻っては流れ…。
(2)
 むかしあったけど。ここのようなどこに、川さ梭橋ぁかかってあったけど。そしてその橋のたもとさ行って、蛇ぁ頭出したど。そして見っだれば、ノロノロ、ノロノロと出はってきたってよ。ノロノロ、ノロノロ、今日もノロノロ、明日もノロノロ、とーぴったり釜のふた。
(鈴木ひろ)
(ノロノロ話の話者は、他に、大石きみよ、男鹿せん、男鹿てつの、後藤とよ、佃すゑがあるが、全く同系なので略す)
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