南の山の馬鹿聟話屏風と枕

 御祝儀の晩げによ、向うから来て、お客さまいっぱい泊るもんだから、六枚屏
風立てて見せだんだど。こんど箱枕して聟ば寝せだど。そしたら夜中に何だかバ
ダバダていうから行ってみたらば、お客さまだみんなで、屏風ぐにゃぐにゃなっ
てだのを、そいつを平らにして立てるべとしていてもんだど。んだから平らになっ
てバダンバダンと倒れんのだど。
 箱枕してた馬鹿聟は、頭そっから落ちて頭いだくすっど悪いがらって、頭さ枕
結つけていたけど。
(平井とよ)
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