17 お糸唐糸

 姉がお糸で先妻の子、妹が唐糸で後妻の子で、二人はうんと仲よかったど。
 ほしてある日、継母(ままかか)が姉のお糸を、味つけて山さ生き埋めにする気で、ずうっ と山さ行ったわけだ。そんどき、唐糸はケシの実落して行けと言うもんで、お糸 はケシの実をずうっと蒔いて行ったんだな。
 と、花咲くの、そこを尋ねて行くとわかるわけにしたど。そして生き埋めになっ てしまった。したら妹の唐糸がたずねて行って、埋められたお糸を掘り出したん だな。そして家さ戻んねで、
「家さ行っても、とっても家にいても駄目だ。行ったら殺される」
 て、別な村さ行って奉公してしまったど。
 そうすっど、親父はうんと苦態した。どこさ行ったか、子どもらいなくなって しまったべぁ、毎日泣いでで、目(まなぐ)は悪くなってしまって、見えなくなってしまっ た。おどっつぁまは六部の姿になって、鉦(かね)さげて、
   〈お糸唐糸 いたならば
    この目はぱっちりあくべぞよ〉
 て、ずうっと尋ねて歩いっだら、その声で父ちゃんだと分かったど。そんで継 母が罰当って、モグラモチになって、お日さま見っど死ぬことになったそうだ。 どーびんとん。
(遠藤昇)
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